フェリールビー

フェリールビー：日本の海とフィリピンの海を繋いだフェリー

フェリールビーは、ダイヤモンドフェリーが運航していたフェリーです。同社のフェリーゴールド、フェリーパールに続く3隻目のフェリーとして、1970年9月、尾道造船所で建造されました。神戸港（東神戸フェリーセンター）―松山港―大分港を結ぶ航路に就航し、日本の瀬戸内海、そして豊後水道で活躍しました。

フェリールビーの就航により、ダイヤモンドフェリーの神戸―松山―大分航路は、毎日1便、隔日1便の体制となりました。フェリーゴールド、フェリーパールと3隻体制で、多くの乗客と車両を輸送しました。

設計と船体

フェリールビーは、先に建造されたフェリーゴールドをベースに、拡大改良された設計となっています。特に、航海船橋甲板と船体後部に船室を増設したことで、総トン数が約600トン増加しました。この設計変更は、車両搭載能力を維持しつつ、旅客定員を増やすことを目的としていました。

船体、機関の諸元はフェリーゴールドとほぼ同一とされましたが、喫水は深くなり、航海速力は0.3ノット低下しました。船体は上層からA、B、Cデッキ、そしてワゴンデッキと呼ばれており、A、Bデッキは旅客区画、Cデッキは前方が旅客区画、後方が乗用車搭載区画、ワゴンデッキは大型車搭載区画として機能していました。ワゴンデッキの船首と船尾には、ランプウェイが装備されていました。

船内設備と船室

船内には、快適な船旅を提供するための様々な設備が備えられていました。旅客向けには、特別室、A洋室、B洋室、和洋室、一般室など、様々なタイプの船室が用意されていました。また、食堂も設置され、乗客は食事を楽しむことができました。

運航と引退後

1976年2月、愛媛阪神フェリーより用船したおくどうご2の就航により、フェリールビーは定期運航から外れ、予備船となりました。その後、1982年12月、おくどうご6、おくどうご8の就航により、フェリールビーは引退しました。

日本の海での役目を終えたフェリールビーでしたが、その後は海外売船され、フィリピンのSweet Line Inc. によって購入されました。同社では船名をSWEET ROROと改名し、フィリピン初のRO-RO型貨客船として、マニラ―セブ航路に就航しました。フィリピンにおいても、人々の移動や貨物の輸送に貢献したのです。

まとめ

フェリールビーは、日本のダイヤモンドフェリーで活躍した後、フィリピンで新たな航海を続けました。その設計、設備、そして運航の歴史は、日本のフェリーの歴史、そして国際的な海運の歴史を語る上で重要な役割を果たしています。日本の瀬戸内海からフィリピンの海へと舞台を移しながらも、多くの人の移動を支え続けたフェリールビーの物語は、海と共に生きる人々の営みを象徴する存在と言えるでしょう。

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