フェルディナント・キュプラー

フェルディナント・キュプラー（1919年7月24日 - 2016年12月29日）は、スイス・マルタレン出身の元自転車競技選手です。フェルディ・キュプラーとも呼ばれ、その卓越したスプリント力と山岳での安定した走りで、オールラウンダーとして名を馳せました。現役時代は「カウボーイ」という愛称で親しまれていました。

輝かしい経歴

1940年にプロとしてのキャリアをスタートさせました。第二次世界大戦中には、1942年のツール・ド・スイスで総合優勝を果たし、1943年にはチューリッヒ選手権を制覇しました。1948年以降は、ロードレース界のトップ選手として活躍し、同年のツール・ド・ロマンディ、ツール・ド・スイスでいずれも総合優勝を飾りました。1949年には、スイス国内選手権・個人ロードを制覇し、世界自転車選手権・個人ロードではリック・バンステーンベルヘンに次ぐ2位に入賞しました。

1950年には、ジロ・デ・イタリアで総合4位という成績を収めました。その後、国内選手権で連覇を達成し、同年のツール・ド・フランスでは、レース中のアクシデントがきっかけとなり、イタリアナショナルチームの全選手が監督の指示で第12ステージを棄権するという波乱がありました。しかし、キュプラーは第12ステージ終了後に総合首位に立ち、その後一度もその座を明け渡すことなく、スイス国籍選手として初のツール・ド・フランス総合優勝を果たしました。同年には、世界選手権・個人ロードで3位に入賞し、年間表彰制度であるチャレンジ・デスグランジュ＝コロンボで1位を獲得しました。

1951年には、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで初優勝を飾った他、2度目のツール・ド・ロマンディ、3度目のツール・ド・スイス総合優勝を達成し、シーズン終盤には悲願の世界選手権・個人ロード優勝も達成するという、まさに飛躍の年となりました。また、同年のジロ・デ・イタリアでは総合3位に入っています。1952年には、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで連覇を達成。ジロ・デ・イタリアでは総合3位に入った他、2度目となるチャレンジ・デスグランジュ＝コロンボを受賞しました。

その後の選手生活におけるハイライトは1954年でした。3度目の国内選手権制覇を果たした他、こちらも3度目となるチャレンジ・デスグランジュ＝コロンボを受賞、さらにツール・ド・フランスではポイント賞（マイヨ・ヴェール）を獲得しました。また、1956年にはミラノ〜トリノを制覇しています。1957年に現役を引退しました。

2016年、チューリッヒにて97歳でその生涯を閉じました。キュプラーが亡くなるまで、彼はツール・ド・フランス優勝者の中で最年長かつ最古の人物（1950年）でした。

外部リンク

* フェルディナント・キュプラー - サイクリングアーカイヴス（英語）

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