フェルディナンド・T・アンガー

フェルディナンド・トーマス・アンガー

フェルディナンド・トーマス・アンガー（Ferdinand Thomas Unger、1913年10月28日 - 1999年1月31日）は、アメリカ陸軍の軍人であり、1966年11月2日から1969年1月18日まで琉球列島高等弁務官を務めた人物です。ペンシルベニア州ピッツバーグ市出身。

生涯

アンガーは元々技術者を目指し、ピッツバーグ大学工学部に入学しましたが、軍人を志すようになり、入学から1年後に陸軍士官学校へ転校しました。1937年に同校を卒業後、陸軍参謀統帥大学など数々の軍学校で学び、軍事研究に没頭しました。

第二次世界大戦中はヨーロッパ戦線に従軍し、朝鮮戦争時には第一砲兵軍隊長を務めました。その後、ドイツやフランスの駐留米軍に勤務し、アメリカ統合参謀本部作戦部長、第7歩兵師団司令官を歴任するなど、軍人として輝かしいキャリアを築きました。

1966年、アンガーは第5代琉球列島高等弁務官に就任しました。在任中には、琉球上訴裁判所の首席判事と上級裁判所判事の任命権を琉球政府に移譲し、行政主席公選制を導入するなど、沖縄の自治権拡大に大きく貢献しました。これらの施策は、沖縄返還への道筋をつける上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

1970年に退役後は、陸軍および空軍の退役軍人施設の理事長を7年間務め、退役軍人の福祉向上に尽力しました。1999年1月31日、バージニア州アーリントン市内の病院でパーキンソン病のため亡くなりました。

アンガーの功績

アンガーは、軍人としての卓越した能力に加え、琉球列島高等弁務官として沖縄の自治権拡大に貢献しました。特に、裁判官の任命権移譲や行政主席公選制の導入は、沖縄の民主主義発展を促す上で大きな意義がありました。彼の功績は、沖縄の歴史において重要な足跡として記憶されるでしょう。

関連情報

アメリカ合衆国による沖縄統治
琉球列島米国民政府

外部リンク

沖縄県公文書館
守礼の光－米国琉球列島高等弁務官府機関誌 - ウェイバックマシン（2004年6月26日アーカイブ分）
Pittsburgh Post-Gazette obituaries- Jul 8, 1999
右の写真（フェルディナンド本人）の下部より、彼に関する記事が掲載されている。（英語）

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