フォード・エッジ (Ford Edge)
フォード・エッジは、アメリカの
自動車メーカー、
フォード・モーターが製造・販売している中型
クロスオーバーSUV(CUV)です。フォードのSUVおよびCUVラインナップの中では、より小型のエスケープ(またはクーガ)と大型のエクスプローラーの間に位置づけられるモデルとして展開されています。初期のモデルは主に北米市場を中心に
ブラジル、
中東、中国、
ロシアといった一部の国々で販売されましたが、2代目からは新たに
西ヨーロッパ諸国にも導入され、世界100カ国以上で販売されるグローバルモデルへと進化しました。生産は
カナダ・
オンタリオ州にあるオークビル組立工場で行われています。
歴史
初代エッジは、
2006年1月にデトロイトで開催された
北米国際オートショーでその姿を現し、同年中に2007年モデルとして市場に投入されました。このモデルは、
マツダ・アテンザやフォード・フュージョン、
リンカーン・MKZなどにも用いられたフォードのCD3プラットフォームを基盤としており、特に姉妹モデルであるリンカーン・MKXとは車体構造を共有していました。
搭載されたパワートレインは、新開発の3.5リッター
V型6気筒DOHC「デュラテック35」エンジンと、
ゼネラルモーターズとの共同開発による6速
オートマチックトランスミッション「6F」の組み合わせでした。発売当初に設定されたグレードは、SE、SEL、リミテッドの3種類でしたが、
2008年2月の
シカゴオートショーで2009年モデルとして「スポーツ」グレードが追加され、全4種類の構成となりました。
2010年2月、再び
シカゴオートショーで改良を受けた2011年モデルが発表されました。このフェイスリフトでは、SE、SEL、リミテッドといった通常グレード向けに、可変バルブタイミング機構(Ti-VCT)を備えた改良型デュラテック35に加え、2.0リッター
直列4気筒ターボの「エコブースト」エンジンが選択肢として追加されました。一方、エッジスポーツには、3.7リッターの「デュラテック37」エンジンが新たに搭載され、これにはパドルシフト機能を備えた「セレクトシフト」6速ATが組み合わされました。また、インフォテインメントシステムとして、タッチスクリーン式のユーザーインターフェースを持つ「MyFord Touch」が導入され、エッジには4.2インチカラーLCDディスプレイ仕様のものが装備されました。
エッジは、
2010年4月23日の
北京モーターショーでも紹介され、2011年
1月から中国市場での販売が開始されました。
2代目 (2015年 - 現在)
2代目エッジは、2014年6月24日に概要が公表され、同年10月のパリモーターショーで初めて世界に向けて公開されました。
カナダ・オークビル組立工場での製造は
2015年2月26日から開始され、同年春には北米地域での販売がスタートしました。
この世代では、モンデオやフュージョン、
リンカーン・MKZなどにも採用されているCD4プラットフォームが基盤となっています。パワートレインについては、北米向けには
ツインスクロールターボを備えた2.0リッター
直列4気筒エコブーストエンジン(最高出力245 hp、最大トルク270 lb.-ft)が標準で搭載され、オプションとして3.5リッター
V型6気筒自然吸気エンジンも用意されました。これらのエンジンには「セレクトシフト」6速ATのみが組み合わされます。一方、欧州向けには2種類の2.0リッターデュラトルクTDCi
ディーゼルエンジンが設定され、180 ps仕様には6速マニュアル
トランスミッションが、210 ps仕様には「パワーシフト」と呼ばれる6速DCT(
デュアルクラッチトランスミッション)がそれぞれ組み合わされました。また、この世代からアクティブノイズキャンセラレーションシステムが導入されています。グレード構成はSEとSELが基本となり、市場によってはより高級感のある「タイタニアム」仕様もラインナップされています。
エッジスポーツ (2代目)
2代目の高性能モデルであるエッジスポーツには、ツインターボを採用した2.7リッター
V型6気筒エコブーストエンジン(最高出力315 hp、最大トルク350 lb.-ft)が心臓部として搭載されました。こちらもアクティブノイズキャンセラレーションシステムを備え、
トランスミッションは「セレクトシフト」6速ATのみの設定となります。
中国仕様 (2代目)
中国市場向けの2代目エッジは、2014年1
1月の
広州国際モーターショーで発表されました。グローバルモデルとは異なり、後部オーバーハングが延長され、3列シートを備えた7人乗り仕様となっている点が最大の特徴です。エンジンは2.0リッターまたは2.7リッターのエコブーストが選択可能で、「セレクトシフト」6速ATが組み合わされます。生産は、長安フォードが
浙江省杭州市に新たに建設した工場から最初に送り出されたモデルとして、
2015年3月に開始されました。