フォード・レーザーとは？意味をやさしく解説

フォード・レーザー：マツダ・ファミリアを基盤としたフォードの歴史

フォード・レーザーは、1980年代から2000年代初頭にかけて、フォードが日本市場を中心に展開した乗用車です。そのルーツは、フォードとマツダの提携関係にあります。マツダ・ファミリアをベースとしながらも、フォード独自の解釈が加えられ、多様なモデルが誕生しました。以下に、各世代の歴史と特徴を詳しく解説します。

誕生の背景

1979年、フォードとマツダは資本提携を結び、フォードはアジア・オセアニア地域における小型車の開発・生産をマツダに委ねました。この提携の一環として、レーザーは企画されました。プラットフォームにはマツダ・Bプラットフォームが採用され、生産は主にマツダの工場で行われました。また、北米向けのフォード・エスコート2代目モデルは、レーザーと共通のスタイリングを持つこととなりました。

初代 BE型 (1982-1985年)

1981年、オーストラリアでマツダ・ファミリアのOEM車として生産・販売を開始。兄弟車として、4ドアセダンのミーティアが存在しました。翌1982年には日本国内での販売が開始され、4ドアセダンと3ドア・5ドアハッチバックのボディタイプが用意されました。エンジンは1.5Lガソリンが搭載され、1983年には3ドアモデルにEGIとEGIターボが追加され、上級グレードではドアミラーが標準装備となりました。

2代目 BF型 (1985-1994年)

1985年にフルモデルチェンジ。ボディ構成は初代を踏襲しましたが、ハッチバックモデルはフロントフェイスを独立させ、より丸みを帯びたデザインとなりました。エンジンは1.3Lガソリンが追加されたほか、1.7Lディーゼルも登場。1985年には日本初のフルタイム4WDが3ドアモデルに設定され、1.6LDOHCターボエンジンも搭載されました。さらに、1986年にはカブリオレが追加されました。1987年のマイナーチェンジでは、エンジンが換装され、4WDがセダンにも追加。この世代にはバンも存在し、3代目登場後も1994年まで生産されました。

3代目 BG型 (1989-1994年)

1989年にフルモデルチェンジ。ファミリアとは異なるボディ外板を採用し、4ドアセダンと専用の3ドアクーペの2タイプが用意されました。エンジンは、1.6LDOHC、1.5LDOHC&SOHC、1.3LSOHCガソリン、1.7Lディーゼルがラインナップ。同年にはフルタイム4WDも追加されました。1991年にはマイナーチェンジでエアコンを代替フロン化。1994年に生産を終了しました。

4代目 BH型 (1994-1998年)

1994年にフルモデルチェンジ。再びファミリアと外板の共通化が図られましたが、ハッチバックモデルは丸目ライトを採用し、個性を出しました。エンジンは全車DOHC化され、1.8L、1.5Lのガソリンが搭載されました。同年にはリーンバーンエンジン仕様やディーゼルターボが追加され、フルタイム4WDも設定されました。1996年のマイナーチェンジでは、ファミリアの3ドアモデルが刷新された一方で、レーザーは既存のボディを継続しました。

5代目 BJ型 (1998-2001年)

1998年にフルモデルチェンジ。車名が「レーザーリデア」に変更されました。ボディは4ドアセダンと5ドアワゴンの2タイプとなり、エンジンは1.8L、1.5L、1.3Lガソリンと2.0Lディーゼルが用意されました。1.8Lと1.5Lにはフルタイム4WDが設定されました。台湾仕様の「ティエラアクティバ」は、ハッチバックがBJ型ファミリアS-ワゴンとほぼ同じ外観を有していました。2001年に生産を終了しました。

まとめ

フォード・レーザーは、マツダとの提携が生んだ、多様なモデル展開が特徴的な乗用車でした。各世代でファミリアとプラットフォームを共有しながらも、独自の進化を遂げ、多くのファンに愛されました。その歴史は、提携関係における自動車開発の興味深い事例と言えるでしょう。

フォード・レーザー