フォーミュラ3・ユーロシリーズ

フォーミュラ3・ユーロシリーズの概要

フォーミュラ3・ユーロシリーズ（通称ユーロF3）は、フォーミュラ3（F3）規格に基づく国際的な自動車レースシリーズで、2003年から2013年まで運営されていました。本大会は、フランスやドイツのF3系列の統合により誕生し、主にヨーロッパの主要国から多くの有力チームが参加しました。特にドイツを基盤とし、フランスやイタリア、時にはイギリスのチームも登場するなど、国際色豊かなレースが展開されました。

設立と大会形式

ユーロF3は、2002年まで運営されていたフランスF3やドイツF3を統合し、2003年からスタートしました。自動車レース協会であるITR（Internationale Tourenwagen-Rennen e.V.）がこのシリーズの運営を担当し、ドイツ、フランス、イタリアを中心とした10大会を年間で開催しました。レースは初め2010年まで各大会ごとに2回のレースが行われ、総距離は約110kmまたは最長で40分程度であることが定められていました。順番は、予選結果に基づいて決定され、レース2ではレース1の上位8位を逆順にスタートします。2011年からは1大会につき3レースが実施されるようになりました。

シャシーとエンジン

ユーロF3では、ダラーラが製造したシャシーがメインで使用され、事実上のワンメイクとして機能しました。エンジンに関しては、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンが供給しており、近年ではメルセデスが優位を保っていました。また、タイヤも2011年まではクムホタイヤのワンメイクでしたが、2012年からはハンコックタイヤに変更されました。

日本からの参戦

日本のドライバーもこのシリーズに参加しており、トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム（TDP）からのドライバーや、ホンダのフォーミュラ・ドリーム（FD）のドライバーが参戦していました。これらの日本人ドライバーは、メルセデス製のエンジンを使用することが一般的でしたが、2012年には派遣活動が中断されました。

ヨーロッパF3の復活

国際自動車連盟（FIA）は、ジュニアフォーミュラの再編を進める中で、2012年にヨーロッパF3選手権を復活させ、当初の年にはユーロF3の7戦を含む10戦が開催されました。2013年には、ユーロF3は正式にヨーロッパF3選手権へと移行し、大会形式もWTCCやWEC、DTMといった大型イベントのサポートレースとして行われるようになりました。

歴代チャンピオンと参戦ドライバー

ユーロF3には、ニコ・ロズベルグやセバスチャン・ベッテル、ロバート・クビサなど、後にF1で活躍する多くの著名なドライバーが参戦しました。また、日本からも平中克幸や小林可夢偉など、多様な才能が競い合っていました。これらの選手たちは、ユーロF3での経験をもとに様々な国際的なレースシーンへと進んでいきました。

このように、フォーミュラ3・ユーロシリーズは、若手ドライバーにとっての重要なステップとなり、多くの才能を発掘する舞台となりました。

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