フクドジョウ科

フクドジョウ科（Nemacheilidae）

フクドジョウ科は、ドジョウ上科に属しており、合計で約46属630種が記載されています。国内外での分布が広いこの科は、ユーラシア大陸および北アフリカの淡水域に生息しており、多様な生態系の一部を成しています。また、タニノボリ科に含まれることもあると考えられています。

形態的特徴

フクドジョウ科の魚たちは、共通した特徴を持っています。口髭は通常3～4対存在し、やや縦扁した形状をしています。特に腹鰭の基部は背鰭の基部よりも前方に位置するのが特徴的です。体長はおおむね5cmから30cm程度となっています。これらの特徴は、各種が生息する環境に応じて異なる場合もあります。

生態

フクドジョウ科の魚は基本的に川底に生息し、雑食性の習性を持っています。水中のさまざまな有機物や小型の生物を捕食しながら生活しています。これにより、環境中の有機物の循環にも寄与しているといえるでしょう。

下位分類

この科には多くの属が存在し、以下のような主要な属が挙げられます。

• - Aborichthys属
• - Acanthocobitis属（Paracanthocobitis亜属、Acanthocobitis亜属）
• - Afronemacheilus属
• - Barbatula属（フクドジョウ属）
• - Lefua属（ホトケドジョウ属）
• - そのほか多数の属

これらの属は、生息地や形態の違いによって分類されています。

日本のフクドジョウ科

日本にはフクドジョウ属とホトケドジョウ属があり、計7種が存在します。その中の1種は外来種として知られています。各種は一般的に川や湖などの淡水域に生息しています。

ホトケドジョウ属（Lefua）

ホトケドジョウ属では、鼻孔に1対と口部に3対、合計8本の口髭が極めて特徴的です。体は円筒形であり、鰾がよく発達していて活発に泳ぎ回ります。この属には、朝鮮半島や極東ロシア、中国の広東省以北、日本列島に分布する8種があり、日本には6種が見られます。これらの種には、エゾホトケドジョウ、ヒメドジョウ、ホトケドジョウなどが含まれます。

フクドジョウ属（Barbatula）

フクドジョウ属の魚は、3対の合計6本の口髭を持ち、体はやや縦扁しています。特徴的な腹部は白く、尾鰭の後縁は浅く二叉します。ヨーロッパからアジアの東北部にかけて冷温帯を中心に分布しており、現在16種が知られています。日本にはフクドジョウという1種が自生しています。

関連項目

フクドジョウ科は、ドジョウ上科、アユモドキ科、タニノボリ科、コイ目、ドジョウ科など、さまざまな系統の魚類と関連しています。これらの魚たちは、異なる生態的ニッチを担いながら共存し、豊かな水中生態系を形成しています。

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