フジコー

株式会社フジコーの歴史と事業内容

企業概要

株式会社フジコーは、日本の兵庫県伊丹市を本社とし、不織布やフェルトの製造、販売を専門とする企業でした。元々は掘抜帽子製造所として1927年に創立され、その後、経済の変化や技術革新に対応しながら、事業を拡大してきた実績があります。

創業からの変遷

1927年に創業した掘抜帽子製造所は、当初から広大な工場を持ち、そこの製品は「東洋一の帽子製造工場」とも称されました。しかし、日中戦争や第二次大戦中には原材料の統制が行われ、主力製品が軍用ゲートルに変わりました。戦後は平和な産業を目指して再起を図りましたが、羊毛の輸入制限や配給の滞りで1951年に倒産。

その後、日本勧業銀行の支援を受け、同年に富士帽子工業株式会社として再出発し、帽子からフェルトへと主力製品を移行しました。以降、合成繊維を使用したニードルパンチカーペットの製造を1960年代半ばから開始し、さらに製品の多様化を進めました。特にアメリカの有名ブランド「ノックス」の国内生産と輸出を行うことで、事業をさらに拡張していきました。

不織布・フェルト事業への移行

1970年代には、産業向けの不織布やフェルトが主力製品へと成長。この時期に商号をフジコーに変更し、製品のラインナップは高温耐熱性断熱材や電池用フェルトまで広がりました。同社はその後、多様な市場ニーズに対応するため、家庭用カーペットや自動車用カーペットの製造へも参入しました。

日本毛織株式会社（ニッケ）との関係

2021年5月、株式会社ニッケがフジコーを完全子会社化することを発表。2021年8月30日にはフジコーの株式が上場廃止となり、9月1日には正式にニッケの一部となりました。この時期にはフジコーの一関工場が全焼するなどの厳しい状況もありましたが、翌年には操業再開を果たしました。

統合と解散

2023年には不織布・フェルト事業の経営統合を行い、これに伴い事業はエフアンドエイノンウーブンズに移管されました。そして、2024年にはニッケに吸収合併されることが決まり、フジコーは法人としての歴史を閉じることになりました。

事業所

株式会社フジコーは多様な事業所を展開していました。兵庫県の本社をはじめ、東京、茨城、一関、名古屋、仙台、福岡に営業所や工場があります。これにより、日本全国の顧客に向けた製品供給が行われていました。

まとめ

フジコーの歴史は、創業からの変遷と多様な製品展開に満ちた物語です。帽子製造から始まり、不織布やフェルトに特化することで、長い年月にわたる発展を遂げました。最終的にニッケに吸収合併される形となりましたが、その存在感は今もなお業界に影響を与え続けています。

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