フランクフルト中央駅

フランクフルト中央駅：ドイツ交通網の心臓部

フランクフルト・アム・マインにあるフランクフルト中央駅は、ドイツ鉄道の主要駅として、ヨーロッパでも屈指の規模を誇るターミナル駅です。正式名称はフランクフルト（マイン）中央駅ですが、多くの場合、単にフランクフルト中央駅と呼ばれています。1日の乗客数は約35万人と、ドイツ国内ではハンブルク中央駅に次いで多く、フランクフルトだけでなく、ドイツ西部の交通網の中核を担っています。

多様な交通手段の結節点

フランクフルト中央駅は、多様な交通手段が結節するハブとして機能しています。まず、長距離列車では、ICEの全22系統のうち10系統が乗り入れ、アムステルダム、ブリュッセル、パリ、バーゼル、ウィーンといったヨーロッパ主要都市への国際列車も運行されています。さらに、インターシティ（IC）、ユーロシティ（EC）などの長距離列車に加え、インターレーギオエキスプレス（IRE）、レギオナルエキスプレス（RE）、レギオナルバーン（RB）といった近郊列車も発着しています。

地下にはSバーン（近郊電車）とUバーン（地下鉄）の駅があり、Sバーンは全路線が乗り入れています。地上には路面電車とバスの停留所も設置されています。ただし、駅容量の都合上、一部の長距離列車はフランクフルト空港駅やフランクフルト南駅にのみ停車し、フランクフルト中央駅を通過するケースもあります。

駅構造：地上と地下の融合

フランクフルト中央駅は、地上と地下に広がる複雑な構造を持っています。地上駅は東側が頭端式ホームとなっており、24本の線路を巨大な屋根（トレイン・シェッド）が覆っています。西側には多数の留置線があり、ヴィースバーデン、フランクフルト空港、マンハイム、カッセルなど、複数の路線が立体交差を描きながら分岐しています。駅舎はホームの東側に位置し、3つのファサードを持つ歴史的な建物です。現在では中央のファサードがメインエントランスとして使用されています。

地下にはSバーン用の島式ホーム2面4線と、Uバーン用の駅があります。Sバーンは西側出口から地上に出て地上駅と合流し、東側は中心地を横断する地下線につながっています。UバーンはU4系統とU5系統（2023年末から区間運休中）が乗り入れており、将来的な路線拡張によって運行再開が予定されています。

駅周辺には路面電車の停留所があり、大規模イベント時には臨時運行のためのスペースも確保されています。

歴史：複数の駅の統合から現代へ

フランクフルトでは、19世紀中頃から鉄道が開通しましたが、当初はタウナス駅、マイン・ネッカー駅、ヴェーゼル駅など、方面別に複数の駅が存在していました。これらの駅は1888年に統合され、フランクフルト中央駅が開業しました。その後、駅舎の拡張、路線の電化、Sバーン・Uバーンの開業など、幾度かの改修を経て現在の規模となっています。かつては地上ホームを地下化し、超高層ビル街を建設する「フランクフルト21」計画もありましたが、実現には至りませんでした。現在では、新たな長距離列車用トンネルの建設計画が進められており、実現すれば運行効率の改善や所要時間の短縮が期待されます。

国際的な繋がり：姉妹駅協定

フランクフルト中央駅は、国際的な繋がりも重視しており、2007年にはパリ東駅、2015年には東京駅と姉妹駅協定を締結しています。

駅周辺

フランクフルト中央駅の東側には市中心部が広がり、カイザー通りが駅前に伸びています。北側にはメッセ・フランクフルト（見本市会場）があり、UバーンやSバーンでアクセス可能です。駅周辺にはホテルなども多く、ビジネスや観光の拠点として最適な立地です。

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