フランクフルト国民議会

フランクフルト国民議会とは

フランクフルト国民議会（Frankfurter Nationalversammlung）は、1848年から1849年にかけてドイツ革命の真最中にフランクフルト・アム・マインで開催された議会です。この議会は自由主義的な視点からドイツ統一を追求し、その具体的な実現方法について議論を行いました。しかし、主要な君主国であるオーストリア帝国やプロイセン王国からの支持を得ることができず、議会の活動は行き詰まりを見せました。

歴史的背景

1848年にフランスで起きた二月革命により、第二共和政が成立し、その影響は瞬く間に全ヨーロッパに広がりました。この流れの中で、3月にはオーストリアでウィーン三月革命や、プロイセンでベルリン三月革命が勃発しました。これにより、自由主義的なアイデアが幅広い支持を集めた時期でもあり、様々な改革が期待されました。

こうした状況の中、1848年5月18日にフランクフルトで国民議会が開催されることになります。この議会は成人男性の選挙によって選出された649名の議員から成り、彼らは主に高級官僚や大学教授、ブルジョワジーから成るもので、当時の状況から「教授議会」と揶揄されました。

議会の進行と争点

国民議会は自由主義的なドイツ統一についてはおおむね合意を形成していたものの、その他の具体的な方針については意見が分かれていました。国際的な承認がない状態での議会の存在は不安定さを増し、オーストリアの大公ヨハンが摂政として選ばれました。

その中で、「大ドイツ主義」と「小ドイツ主義」という二つの対立する考え方が浮上しました。大ドイツ主義はオーストリアに住むドイツ系住民を統一の範囲に含めるもので、10月27日にこの案が熱狂的に支持されました。しかし、この決定は流れに逆行するものでした。フランスやオーストリアでの自由主義的な運動が失敗し、社会主義の台頭によって既成の自由主義的潮流は弱まっていたのです。

結果として、議長はその職を辞することになり、1848年末からは小ドイツ主義に基づくドイツの統一が論議されるようになりました。最終的に、1849年3月27日にはドイツ国憲法（パウロ教会憲法）が採択され、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世が統一ドイツの皇帝に選ばれました。しかし、この申し出はプロイセン王によって拒否され、国民議会はその支持を失っていくことになります。

議会の終焉

国民議会は、オーストリアの議員が帰国することを皮切りに、主要邦国の議員が次々と脱退し、最終的にはシュトゥットガルトでの小規模な集まりを残すのみとなりました。こうして活動を全うすることなく、1849年6月には完全にその活動を終えました。

その後の展開

1848年の革命による自由主義的な統一の試みは、結局のところ失敗に終わりました。その後の1860年代においては、プロイセンを基盤とした「上からの統一」が進められ、自由主義的手法は用いられず権威主義的な方針が強化されていくことになります。これにより、ドイツはある意味で強力ながらも、自由主義的理念には背を向けた形で統一が進んでいくこととなりました。

もう一度検索