フランク・ラムジー (バスケットボール)

フランク・ラムジー：セルティックス黄金期を支えたシックスマン

フランク・ラムジー（Frank Ramsey, 1931年7月13日 - 2018年7月8日）は、アメリカ合衆国ケンタッキー州出身のバスケットボール選手。ボストン・セルティックスの八連覇時代にシックスマンとして活躍し、チームを支えた。

大学時代

ラムジーはケンタッキー大学でバスケットボールと野球の両方で才能を発揮。伝説的なコーチ、アドルフ・ラップの指導の下、アレックス・グローザやクリフ・ヘイガンらと共にプレイした。1951年のNCAAトーナメントでは、決勝でカンザス州立大学を破り優勝を経験。

しかし、1952年にはカレッジバスケ界を揺るがす八百長疑惑に巻き込まれる。チームメイトのアレックス・グローザらが関与を認め、ケンタッキー大学はNCAAから出場停止処分を受ける。ラムジーは4年目のシーズンを棒に振ることになった。

大学卒業後、1953年のNBAドラフトでボストン・セルティックスから全体5位で指名を受ける。チームメイトのクリフ・ヘイガン、Lou Tsioropoulosもセルティックスから指名されたが、3人はすぐにNBA入りせず、大学院生としてケンタッキー大学に戻り、失ったシーズンを取り戻そうとした。1953-54シーズンには平均19.6得点を記録し、チームを25戦全勝に導いたが、NCAAトーナメントへの参加は辞退した。大学通算成績は1344得点1038リバウンド。

セルティックスでの活躍

1954年にセルティックスに合流。当時のセルティックスはボブ・クージーやビル・シャーマンらが在籍していた。ルーキーイヤーの後、兵役で一時チームを離れるが、1956-57シーズンに復帰。ビル・ラッセルとトム・ヘインソーンが加入し、チームは44勝28敗の好成績を収めた。

ヘッドコーチのレッド・アワーバックは、ラムジーをシックスマンとして起用。この戦略が功を奏し、セルティックスはプレーオフを勝ち抜き、ファイナルでクリフ・ヘイガンが所属するセントルイス・ホークスを破り、初優勝を飾った。翌1957-58シーズンにはキャリアハイとなる16.5得点7.3リバウンドを記録し、チームの得点源として活躍。

セルティックスは1958-59シーズンから八連覇を達成。1964年に引退するまでの間、ラムジーは7回の優勝に貢献した。オールスター出場や個人賞とは無縁だったが、セルティックスの黄金時代を支えた重要な選手として評価されている。

ラムジーの活躍は、シックスマンの地位を向上させ、チームの切り札として重要な要素となった。セルティックスはラムジーの後任として、ジョン・ハブリチェックやポール・サイラス、ケビン・マクヘイル、ビル・ウォルトンといった優秀なシックスマンを輩出し、成功を収めた。

1964年に引退。NBA通算成績は9シーズン623試合出場、8,378得点3,410リバウンド、平均13.4得点5.5リバウンド。背番号『23』はセルティックスの永久欠番となっている。

引退後

1970年にはABAのケンタッキー・カーネルズのヘッドコーチに就任。1シーズン指揮を執った。

バスケットボールから引退後は、農場の経営者や銀行の社長を務めた。2005年には自宅が竜巻で全壊したが、ラムジー自身は無傷だった。

2018年7月8日、老衰のため死去。86歳没。

フランク・ラムジーは、セルティックスの黄金期を支えた偉大なシックスマンとして、バスケットボール史に名を刻んでいる。

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