ケンタッキー・カーネルズ

ケンタッキー・カーネルズ：ABAの名門バスケットボールチームの興亡

ケンタッキー・カーネルズは、1967年から1976年まで存在したアメリカン・バスケットボール・アソシエーション（ABA）のバスケットボールチームです。チームはケンタッキー州ルイビルを本拠地とし、ABAの9シーズンを戦い抜きました。

チーム名にある「カーネル」とは、ケンタッキー州に貢献した人物に贈られる名誉称号「ケンタッキー・カーネル」に由来します。ケンタッキーフライドチキンの創業者であるカーネル・サンダースもその一人です。

ABAでの活躍

カーネルズはABAにおいて、常に上位を争う強豪チームでした。特に、ケンタッキー州出身のスター選手、ルイ・ダンピアとダレル・キャリアーの加入はチームにとって大きな転機となりました。彼らはABAの3ポイントシュートを武器に、チームを勝利に導きました。ダンピアはカーネルズ一筋でキャリアを終え、チームの象徴的な存在となりました。

1970-71シーズンには、ダン・イッセルが加入し、カーネルズは全米にその名を知られるようになります。イッセルの活躍もあり、チームはABAチャンピオンシップに進出しましたが、ユタ・スターズに惜しくも敗れました。

翌1971年には、ビッグマンのアーティス・ギルモアが加入し、チームは黄金期を迎えます。ギルモアのルーキーシーズンには、リーグ史上最高の68勝を記録しました。しかし、プレイオフではニューヨーク・ネッツにまさかの敗北を喫しました。1972-73シーズンにもチャンピオンシップに進出しましたが、インディアナ・ペイサーズとの激戦の末、敗退しました。

ABAチャンピオン獲得と解散

1974-75シーズン、ヒュービー・ブラウンをヘッドコーチに迎え、チームはついにABAチャンピオンに輝きました。プレイオフでは、宿敵インディアナ・ペイサーズを破り、念願の優勝を果たしました。決勝では、ギルモアが29得点31リバウンドという驚異的な活躍を見せました。

しかし、優勝の翌年、チームは財政的な理由からダン・イッセルを放出。チームは再編を余儀なくされ、プレイオフでデンバー・ナゲッツに敗れました。ABAがNBAに吸収される際、カーネルズはリーグに移行することなく解散しました。多くの才能ある選手を抱え、人気も高かったカーネルズの解散は、ファンにとって大きな悲しみでした。

解散後のカーネルズ

カーネルズの選手たちは、分配ドラフトによってNBAの各チームに加入しました。ギルモアはシカゴ・ブルズへ、モーリス・ルーカスはポートランド・トレイルブレイザーズへ、そしてダンピアはサンアントニオ・スパーズへと移籍し、それぞれの地で活躍しました。

新生カーネルズ

2004年、新しいABAのチームとして、ケンタッキー・カーネルズがルイビルに復活しました。チームにはケンタッキー大学出身の選手も在籍し、元NBA選手のトゥリー・ロリンズがゼネラルマネージャーを務めました。新生カーネルズは、2004-05シーズンに19勝12敗の成績を収め、プレイオフに進出しましたが、アーカンソー・リムロッカーズに敗れました。

ケンタッキー・カーネルズは、ABAの歴史において、重要な役割を果たしたチームです。その栄光と挫折の歴史は、バスケットボールファンにとって忘れられないものとなっています。

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