フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア

フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア

フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア（Jose Francisco Rodriguez Tamayo）は、1993年7月10日にメキシコのヌエボ・レオン州モンテレイで生まれたプロボクサーです。元IBF・WBO世界ミニマム級の統一王者として、軽量級のトップ戦線で活躍しました。

プロキャリアの開始

2010年10月2日、故郷モンテレイでプロデビューを果たしたロドリゲス・ジュニアは、フライ級契約での初戦でエリック・ベントゥラに初回TKO勝利を収め、鮮烈なスタートを切りました。その後も快進撃を続け、2011年12月17日にはルイス・ゴンサレス相手にキャリア5連続となる初回KO勝利を記録するなど、その強打と攻撃的なスタイルで注目を集めます。

しかし、無敗記録は長くは続かず、2012年5月18日にはサルバドール・アリアスに判定で敗れ、プロキャリア初の黒星を喫します。この敗北を乗り越え、同年9月にはフランシスコ・ペレスに僅差の判定で勝利し、見事再起を果たしました。

ミニマム級での台頭と世界の壁

2013年に入ると、ロドリゲス・ジュニアはミニマム級でさらに実力を発揮します。1月26日には、かつてWBO世界ミニマム級暫定王座に就いた経験を持つマヌエル・バルガスと対戦。圧倒的不利という下馬評を覆し、3回TKOで勝利を収め、そのポテンシャルの高さを世界に示しました。同年7月にもビクトル・ルイスをTKOで破るなど、勢いを加速させます。

同年9月21日、階級を上げてライトフライ級で、当時無敗のWBA世界ライトフライ級スーパー王者ローマン・ゴンサレスに挑みます。キャリア初のフライ級テスト戦となったゴンサレスに対し、ロドリゲス・ジュニアは初回から果敢に攻め込み、ゴンサレスを苦しめます。しかし、経験豊富な王者は徐々にペースを握り、7回に連打を浴びせたところでレフェリーストップ。ロドリゲス・ジュニアはこれがキャリア初のKO負けとなりました。

世界王座獲得と統一

ローマン・ゴンサレス戦での敗北を経て、再びミニマム級で世界王座を目指します。2014年3月22日、モンテレイでWBO世界ミニマム級王者メルリト・サビーリョに挑戦。初回から積極的に攻め、2回にはダウンを奪うなど試合を支配します。最後は10回、猛攻によってサビーリョを追い込み、レフェリーストップによるTKO勝利で、念願の世界王座を獲得しました。

そして2014年8月9日、自身が持つWBO王座と、IBF世界ミニマム級王者高山勝成の王座を懸けた統一戦に臨みます。激しい打撃戦となったこの試合は、フルラウンドの熱闘の末、ロドリゲス・ジュニアが判定勝ちを収め、IBF王座も獲得し、ミニマム級の統一王者に輝きました。この高山戦は、その壮絶な内容が高く評価され、ESPNドットコムによって2014年度の年間最高試合に選出されました。

王座返上と新たな挑戦

統一王座を獲得したロドリゲス・ジュニアですが、2014年中にIBF、WBO両王座を相次いで返上し、階級を上げていきます。

ライトフライ級に転向し、2015年1月にはジョマル・ファハルドとの再戦に判定で勝利。同年7月11日にはWBO世界ライトフライ級王者ドニー・ニエテスに挑戦しますが、判定で敗れ、2階級制覇はなりませんでした。さらに同年12月には、ライトフライ級でのWBO挑戦者決定戦で元ミニマム級王者のモイセス・フェンテスに判定で敗れ、ニエテスへの再挑戦の機会を逃しました。

その後も軽量級で試合を続け、2016年には元WBOミニマム級王者のラウル・ガルシアに判定勝ち、2017年には長井一に負傷判定勝ち、ロランド・グスマンにKO勝ちを収めています。

スーパーフライ級への挑戦とその後

キャリア晩年近くには、スーパーフライ級にも活躍の場を移しました。2021年9月1日、日本でWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔に挑戦。しかし、ここでも判定負けとなり、スーパーフライ級での世界奪取も叶いませんでした。

2022年11月1日には、元WBO世界フライ級王者の中谷潤人と対戦。キャリア終盤を迎えたロドリゲス・ジュニアは、次世代を担う中谷に対し粘りを見せますが、判定で敗れました。

フランシスコ・ロドリゲス・ジュニアは、そのキャリアを通じて、統一王座に輝き、年間最高試合にも選ばれるなど、輝かしい功績を残しました。常に前進を止めないアグレッシブなファイトスタイルは、多くのボクシングファンに記憶されています。

獲得タイトル

WBO世界ミニマム級王座
IBF世界ミニマム級王座

主な受賞歴

* 2014年 ESPN ファイト・オブ・ザ・イヤー（対高山勝成戦）

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