フランス第四共和政

フランス第四共和政の概要

フランス第四共和政（Quatrième République）は、1946年10月から1958年10月までの間、フランスを統治した政体です。第二次世界大戦後、復興を目指しながらも、植民地における独立問題が問題となり、軍部の圧力によって崩壊しました。この時期、フランスでは「自由、平等、友愛」という国の標語が掲げられ、国歌には「ラ・マルセイエーズ」が採用されていました。

背景

第二次世界大戦中のフランスは苦境に立たされていました。ロンドンに亡命していたシャルル・ド・ゴール将軍は、1944年にフランス共和国臨時政府を設立し、同年8月にはパリの解放を果たしました。戦後、ド・ゴールは臨時政府の首席として復帰しましたが、政治的な対立に辟易し、1946年に辞任しました。

共和国の成立

1946年5月5日の国民投票で新憲法草案が否決された後、6月には制憲議会が選出されました。そして、10月13日に新憲法草案が承認され、フランス第四共和政が誕生します。この憲法は両院制や議会による大統領の選出を定めており、第三共和国の憲法に類似していました。そのため、政権交代が頻繁に起こり、短命内閣が続く結果となりました。1947年1月16日には、社会党のヴァンサン・オリオールが新大統領に就任しました。

政治状況

第四共和政の初期は、共産党、社会党、国民連合が三大政党として君臨しました。しかし、1947年には共産党が政権から離脱し、その後の政局は不安定なものへと移行します。ド・ゴールは国民連合を解散し、政治から退くことになりました。

植民地問題

フランスの植民地問題が政権の安定を脅かしました。仏領インドシナでは、ホー・チ・ミン率いるベトミンが独立を求めるゲリラ戦を展開し、朝鮮戦争の影響により冷戦が激化していきました。1954年5月、ディエンビエンフーの戦いでフランス軍が敗北し、続いてジュネーヴ協定でベトナムから撤退を決定します。

一方、アルジェリアでは独立闘争が発生し、フランスの政策はますます混乱を極めました。政府は1955年にモロッコとチュニジアの独立を承認しましたが、アルジェリアの独立に関しては困難でした。1956年にはスエズ運河に出兵し、アメリカとソ連の介入によって失敗に終わりました。

共和国の崩壊

1954年に就任したルネ・コティ大統領は、EEC（ヨーロッパ経済共同体）の設立を進めましたが、アルジェリア独立問題の悪化により状況は悪化しました。1958年5月、アルジェリア駐留軍はド・ゴールの復帰を求めてクーデターを起こし、駐留軍の傘下に臨時政府を結成しました。政府はド・ゴールを首相に指名し、この事態は「復活作戦」と名付けられました。

新憲法が制定され、大統領に強力な権限を付与することが決定された結果、1958年10月5日に第五共和政が成立し、第四共和政はその幕を閉じました。このように、フランス第四共和政はわずか12年ほどでその歴史を終えることとなりました。

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