フランツ・フォン・バイエルン (1875-1957)

フランツ・フォン・バイエルン：バイエルン王国の王族、そして軍人

フランツ・フォン・バイエルン（Franz von Bayern, 1875年10月10日 - 1957年1月25日）は、バイエルン王国の王族であり、軍人としてもその名を歴史に刻みました。

生涯

フランツは、バイエルン王ルートヴィヒ3世と、その妃であるオーストリア＝エステ大公女マリア・テレジアの三男として、シュタルンベルクのロイトシュテッテン城で生を受けました。全名はフランツ・マリア・ルイトポルト。

第一次世界大戦以前は、バイエルン王国軍第2歩兵連隊の連隊長を務めていましたが、大戦勃発直前に第3歩兵旅団長に昇進。その後、第4歩兵旅団長に転任し、ドゥオーモン要塞やケンメルベルク、そしてパッシェンデールの戦いなどでその手腕を発揮しました。

彼の卓越した統率力は、第一次世界大戦において数々の勝利をもたらし、1916年5月25日にはマックス・ヨーゼフ軍事勲章の騎士級勲章を受章。同年10月28日には、バイエルン王国第4歩兵師団全体の司令官に昇格しました。1918年春にはマックス・ヨーゼフ軍事勲章の司令官級勲章、同年5月16日にはプロイセン王国の最高軍事勲章であるプール・ル・メリット勲章を授与されています。

しかし、1918年夏のソンムの戦いにおいて、バイエルン王国第4歩兵師団は甚大な損害を被り、その後の戦線復帰は叶いませんでした。終戦までイタリア戦線での国境防衛任務に従事することとなります。

フランツは1957年1月25日、生誕の地であるロイトシュテッテン城で生涯を閉じ、ミュンヘンのザンクト・ミヒャエル教会に埋葬されました。

結婚と子女

1912年7月12日、フランツはバーデン・バイ・ウィーンのヴァイルブルク城で、クロイ公爵家の当主カール・アルフレートの娘イザベラと結婚。二人の間には6人の子女が誕生しました。

ルートヴィヒ（1913年 - 2008年）：1950年、従妹のバイエルン王女イルミンガルトと結婚
マリア・エリーザベト（1914年 - 2011年）：1937年、ヴァソウラス系ブラジル帝室家長ペドロ・エンリケと結婚
アーデルグンデ（1917年 - 2004年）：1948年、ズデンコ・フォン・ヘニンヒ＝オーキャロル男爵と結婚
エレオノーレ・テレーゼ（1918年 - 2009年）：1948年、ヴァルトブルク＝ツァイル侯子コンスタンティンと結婚
ドロテア（1920年 - 2015年）：1938年、ハプスブルク＝トスカーナ大公家家長ゴットフリートと結婚
ラッゾ（1926年 - 2011年）：1955年、オーストリア＝トスカーナ大公女テレーザと結婚

フランツ・フォン・バイエルンは、王族としての地位に甘んじることなく、軍人としてその才能を発揮し、激動の時代を生き抜いた人物でした。彼の生涯は、バイエルン王国の歴史、そして第一次世界大戦の歴史において、重要な足跡を残しています。

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