フレディ・サンチェス

フレディ・サンチェス：首位打者に輝いた苦労人

フレディ・サンチェス（Frederick Philip Sanchez）は、1977年12月21日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの元プロ野球選手です。主に二塁手を務め、右投右打でした。

プロ入りとメジャーデビュー

2000年、サンチェスはドラフト11巡目でボストン・レッドソックスに入団。2002年9月10日にメジャーデビューを果たし、12試合に出場しました。2003年7月には、マイク・ゴンザレスとのトレードでピッツバーグ・パイレーツへ移籍。

パイレーツ時代：首位打者獲得

2005年、サンチェスはメジャーに定着し、二塁手、三塁手、遊撃手として132試合に出場。打率.291を記録しました。2006年には正三塁手の座を掴み、オールスターゲームに監督推薦で初出場。シーズン終盤には球団史上2人目となるシーズン50二塁打を達成し、最終的に打率.344で首位打者を獲得しました。これは球団史上11人目、1983年のビル・マドロック以来の快挙でした。また、53二塁打はリーグ最多であり、右打者としての球団記録を更新。MVP投票でも17位に入りました。

サンチェスは先天性内反足というハンディキャップを抱えていましたが、少年時代の治療で克服。障害を乗り越えて首位打者を獲得したことから、トニー・コニグリアロ賞を受賞しました。

2007年には二塁手としてオールスターゲームに選出。8月には打率.374、29打点を記録し、チーム1位の打率.304、183安打、そしてアダム・ラローシュに並ぶチーム1位タイの42二塁打を記録しました。

ジャイアンツ時代：ワールドシリーズ制覇

2009年7月、サンチェスはティム・アルダーソンとのトレードでサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。移籍後、故障に苦しみましたが、2010年には2年連続で打率.290を超える数字を記録。ポストシーズンでもまずまずの成績を残し、ワールドシリーズ制覇に貢献しました。

引退後

2015年12月21日、サンチェスは自身の38歳の誕生日に現役引退を表明しました。

選手としての特徴

サンチェスはパワーこそありませんでしたが、広角に打ち分けるシュアな打撃が持ち味でした。四球をあまり選ばないため、打率が高い割に出塁率は低い傾向にありました。守備範囲は広くありませんが、堅実な守備でチームを支えました。

主なタイトルと表彰

首位打者：1回（2006年）
MLBオールスターゲーム選出：3回（2006年、2007年、2009年）
* トニー・コニグリアロ賞：1回（2006年）

サンチェスの背番号は、レッドソックス時代に「56」、パイレーツ時代に「26」「12」、ジャイアンツ時代に「21」を着用していました。

フレディ・サンチェスは、逆境を乗り越え、努力で頂点に上り詰めた、多くの人々に勇気を与える選手でした。

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