フレーバードワイン

フレーバードワインは、ワインをベースにスパイス、ハーブ、蒸留酒、浸出液、果汁などを加えて造られたお酒です。アロマタイズドワイン、香味付けワイン、混成ワインとも呼ばれます。ただし、ワインの醸造過程でアルコールを添加する酒精強化ワインは、このカテゴリーには含まれません。

フレーバードワインは、食前酒（アペリティフ）として楽しまれることが多く、カクテルの材料としても広く用いられています。代表的なものとして、以下のものが挙げられます。

代表的なフレーバードワイン

ヴェルモット
イタリアとフランスが主な産地です。白ワインをベースに、ニガヨモギをはじめとする15〜40種類の香草や薬草を配合し、スピリッツを加えて造られます。カラメルなどで着色され、赤と白のタイプがあります。アペリティフワインの一種ですが、特に重要な存在として独立して扱われます。

アペリティフワイン
ワインに薬草や根のエキスを加えて造られます。食欲増進、滋養強壮、健胃効果などを目的としており、食前酒として用いられることからこの名があります。フランスのデュボネやキールなどが代表的です。

サングリア
スペイン発祥の飲料で、ワインにオレンジやレモンの果汁、シロップを加え、スライスした果物を混ぜて造られます。風味付けにレモネードやブランデーが用いられることもあります。家庭でも手軽に作れるため、世界中で親しまれています。

その他のフレーバードワイン
ドイツのグリューヴァインやスウェーデンのスタークヴィン・グロッグなど、地域ごとに特色あるフレーバードワインが存在します。これらのワインは、その土地の文化や風土を反映した独特の風味を持っています。


フレーバードワインは、その多様な風味と手軽さから、食前酒としてだけでなく、様々なシーンで楽しまれています。カクテルの材料として使用することで、より複雑で奥深い味わいを引き出すことも可能です。

参考:『世界の名酒事典』96年版（講談社） (ISBN 4-06-207815-5)

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