フロッグ (模型メーカー)

フロッグ（FROG）: かつての模型ブランドの歴史

フロッグ（FROG）は、過去にイギリスのIMA社が展開していた模型ブランドであり、特に動力付き模型飛行機やプラモデルで知られています。1931年に設立されたIMA社（International Model Aircraft Ltd.）は、世界初のプラモデルを市場に投入したメーカーとして有名です。

歴史の始まり

フロッグブランドの起源は1931年に遡ります。設立者のチャールズ・ウィルモット（Charles Wilmot）とジョー・マンソー（Joe Mansour）は、スローガンである「Flies Right Off the Ground」の略称としてフロッグを名付け、ゴム動力の模型飛行機を販売しました。1932年には玩具メーカーのラインズ・ブラザーズと提携し、販売を拡大させていきました。

1936年にはセルロースアセテート製の1/72スケール飛行機模型がフロッグ・ペンギンのブランドで初めて発売され、これが歴史的に見ても世界初のプラモデルとされています。名称の由来は、飛ぶことができないペンギンから取られています。このシリーズは、第二次世界大戦前後にかけてイギリス機を中心に約30点が発売されましたが、戦争による生産中断も経験しました。

戦争とその後

第二次世界大戦中、フロッグは標的用や訓練用の飛行模型を製造し、1946年にはフロッグ・ペンギンシリーズの生産を再開しました。1949年にこのシリーズは終了しましたが、1955年からは新たにポリスチレン製のキットをフロッグブランドで発売し、1970年代まで多様な製品を展開しました。

製品は主に1/72スケールのイギリス機を中心に、戦後のマイナー機体も多く含まれており、これらのキットは他社では未発売のものも多いという特徴がありました。また、1970年代には日本のハセガワと提携し、現用ジェット機を中心とした新しいキットを自社ブランドで発売しました。

倒産とその影響

1976年、IM社は経済的な困難により倒産しました。このとき、フロッグのキットを販売していたロヴェックス社は新たに親会社DCM社の支援を求めました。これを受け、DCM社はソ連と提携し、フロッグ製品の再販を企画しました。

その後、ノボ（NOVO）という新ブランドの下で旧フロッグ製品が再販されましたが、品質には問題があったものの、価格の安さから売上は改善しました。しかし、1979年にDCM社が経営不振に陥り、ノボは解散。残された金型は旧ソ連でいくつかの小規模メーカーによって引き続き使用されました。

現代の展開

2011年現在、フロッグブランドはシンガポールのHobby Bountiesに引き継がれ、エアフィックスの艦船モデルやバンダイの軍用車両がフロッグブランドで販売されています。フロッグの製品は、模型愛好家にとっても多くの思い出を呼び起こす存在です。

主な製品

フロッグが作成したプラモデルの中で、最も目を引くのは航空機モデルです。特に1/72スケールが中心で、時には1/96や1/144のスケールも展開されました。初期製品は主にイギリス機を対象としていましたが、後期にはドイツ機やアメリカ機も製品化され、知名度の低い機体のモデル化も行われました。

艦船モデルや軍用車両のキットは少なく、戦車や軍用車両の製品は1960年前後に登場したものに限られていました。フロッグブランドは、艦船や軍用車両に関してはあまり大きな展開を見せることはありませんでしたが、航空機モデルでは優れた製品を多く提供していました。

国際的な流通

アメリカでは、エアラインズやAMTというブランド名の下でフロッグ製品が発売され、日本でも1970年代にハセガワが取り扱うなど、国際的に展開されました。ロシア、ウクライナなどのメーカーにより、旧フロッグキットの多くが再生産され、徐々にその質も向上してきました。これにより、フロッグの名は新たな模型愛好家にも広まり続けています。

フロッグの製品は、その独特のスタイルと歴史的な背景から、今なお多くのファンに支持されています。

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