ポリスチレン

ポリスチレン：身近なプラスチックの基礎知識

ポリスチレンは、石油化学製品であるスチレンを原料とするプラスチック樹脂です。略称はPS、樹脂識別コードは6で、スチロール樹脂とも呼ばれます。1935年の工業化以来、世界中で広く利用されており、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルと並ぶ5大汎用樹脂の一つに数えられています。年間生産量は約1200万トンにも上り、私たちの生活に欠かせない素材となっています。

ポリスチレンの種類と特性

ポリ[スチレン]]は、大きく分けて汎用ポリ[[スチレン]と耐衝撃性ポリ[スチレン]の2種類があります。

汎用ポリ[スチレン]: 透明性が高く、硬くて丈夫な点が特徴です。主に容器や包装材、日用品などに用いられます。安価で加工が容易なため、射出成形によって様々な形状の製品を作ることができます。
耐衝撃性ポリ[スチレン]: GPPSにゴム成分を加えることで、衝撃に対する強度を高めた種類です。乳白色で、家電製品の筐体やプラモデルの部品など、衝撃を受けやすい製品に使用されています。

どちらも熱可塑性樹脂であり、熱を加えると柔らかくなり、冷却すると固まる性質を持っています。この性質を利用して、射出成形や押出成形などの方法で様々な製品が作られています。

ポリスチレンの用途

ポリスチレンの用途は多岐に渡ります。代表的なものとしては以下が挙げられます。

容器・包装材: 食品容器、トレー、カップ、包装フィルムなど。
日用品: コップ、おもちゃ、文房具など。
家電製品: 筐体、部品など(HIPS)。
プラモデル: 飛行機、自動車、ロボットなどの模型(GPPS、HIPS)。
建築資材: 発泡ポリ発泡スチロール'>[スチレン]は、断熱材として広く用いられています。
工芸品: プラ板として、工作やキーホルダーなどの製作にも使用されます。

ポリスチレンの欠点と注意点

ポリスチレンは優れた性質を持つ反面、いくつかの欠点も持っています。

衝撃への弱さ: 硬い反面、衝撃や曲げには弱く、割れやすい性質があります。
耐候性: 紫外線や熱によって、経年劣化により黄変したり、曇りが発生することがあります。
易燃性: 火をつけると容易に燃焼し、有害なガスを発生します。火気厳禁です。
溶解性: 特定の溶剤(テルペン油、エゴマ油、シソ油、リモネン、ベンジン、シンナーなど)に溶けるため、保管や廃棄には注意が必要です。アルコールと長時間接触すると、味を変質させる可能性があります。

ポリスチレンを使用する際は、これらの欠点に注意し、適切な使用方法を守ることが重要です。特に発泡スチロールをオーブンレンジなどで加熱する際は、高温にならないよう注意が必要です。

その他のポリスチレン

メタロセン触媒を用いて重合させることで、結晶性の高いシンジオタクチックポリスチレンを合成することも可能です。これはアタクチックポリスチレンよりも耐熱性に優れていますが、不透明であるという特徴があります。

ポリスチレンは、私たちの生活に不可欠な素材ですが、その特性と注意点を知り、安全に正しく使用することが大切です。

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