ブドヴァ

ブドヴァ：モンテネグロの輝くアドリア海の宝石

ブドヴァは、モンテネグロのアドリア海沿岸に位置する魅力的な都市です。その歴史は深く、およそ2500年前に遡ります。ブドヴァは、美しい砂浜、賑やかなナイトライフ、そして地中海建築の傑作として知られ、多くの観光客を魅了し続けています。

温暖な地中海性気候

ブドヴァは、典型的な地中海性気候に恵まれており、夏は暑く、冬は温暖です。年間を通じて晴天の日が多く、1月の平均気温は8℃、7月は27.9℃と過ごしやすい気候です。夏には海水温が24.7℃以上まで上がり、秋でも18℃から19℃を保つため、海水浴を長く楽しめます。

古代からの歴史

ブドヴァは、アドリア海沿岸で最も古い居住地の1つであり、紀元前5世紀には既に人が住んでいたという考古学的証拠があります。伝説によれば、フェニキア人のカドモスが妻ハルモニアと共にテーバイから逃れ、この地に隠れ住んだとされています。

歴史の中で、ブドヴァは古代ギリシャとローマ帝国の影響を受け、多くの文明の痕跡が残っています。ローマ帝国が東西に分裂すると、この地域は2つの勢力の境界となり、文化と歴史の衝突が起こりました。中世には、南スラヴ人の国家であるドゥクリャやゼタ公国の支配を受けました。

ヴェネツィア共和国の支配

ヴェネツィア共和国は約400年間ブドヴァを支配し、「ブドゥア」と呼んでいました。コトル湾一帯を統治し、オスマン帝国の侵略から守るために強固な城壁を築きました。19世紀まで、住民の多くがヴェネツィア方言を話していたと記録されています。

激動の時代を経て

その後、ブドヴァはオーストリア、フランス、ロシアといった列強の支配下を転々としました。1813年から1814年にはモンテネグロとの統合が試みられましたが、1918年までオーストリア＝ハンガリー帝国の支配下に置かれました。第一次世界大戦後、セルビア王国軍によって解放され、ユーゴスラビア王国の一部となりましたが、第二次世界大戦中にはイタリア王国に併合されました。

第二次世界大戦後、ブドヴァは社会主義ユーゴスラビアに帰属し、現在は独立したモンテネグロの一部となっています。1979年には壊滅的な地震に見舞われましたが、旧市街は再建され、その美しい姿を取り戻しました。

ブドヴァ旧市街

ブドヴァ旧市街は、様々な起源を持つ物語に彩られています。学者や歴史家は、ブドヴァが元々は島であり、後に砂地の地峡によって本土と繋がったと考えています。伝説によれば、ブートゥアという名のギリシャ人船乗りによって発見されたとされています。

旧市街の建築物の多くは、ヴェネツィア共和国時代に建てられたもので、ドア、窓、バルコニーなどにはヴェネツィアの様式が色濃く残っています。旧市街には、7世紀に建てられた聖イヴァン教会、840年からの聖マリヤ教会、1804年建設の至聖三者教会など、歴史的な教会が点在しています。また、ヴェネツィア時代の城壁は、人気の観光スポットとなっています。

モンテネグロ観光の中心地

ブドヴァはモンテネグロ観光の中心地として、年間を通して多くの観光客が訪れます。11km以上に及ぶ海岸線には美しい砂浜が点在し、若者向けのナイトライフも充実しています。近年では、不動産ブームによって多くの富裕層が移住し、「モンテネグロのクウェート」と呼ばれることもあります。

交通の要所

ブドヴァは、モンテネグロ内陸部と2つの高速道路で繋がっており、周辺の都市へのアクセスも便利です。ティヴァト空港やポドゴリツァ空港からも近く、ヨーロッパ各地からのアクセスも容易です。

ブドヴァは、その豊かな歴史、美しい自然、活気ある都市生活が融合した魅力的な都市です。モンテネグロを訪れる際には、ぜひブドヴァに足を運んでみてください。

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