コトル

コトル：モンテネグロの美しき歴史的都市

コトル（Kotor）は、モンテネグロの東部に位置し、美しいコトル湾のほとりに広がる魅力的な都市です。この町は、豊かな地中海文化と歴史的な建物が立ち並ぶ旧市街により、訪れる人々を魅了し続けています。コトルの人口は約13,510人で、周辺の基礎自治体と合わせると約22,947人の住民がいます。観光業に強く依存し、多くの観光客がこの美しい場所を訪れることから、安定した人口増加を見せています。

歴史的背景

コトルが歴史に登場するのは古代ローマの紀元前168年のこと。当初はアクルヴィウム（Acruvium）という名で知られ、ダルマチア属州の一部として栄えました。中世初期になると、コトルは要塞化され、当時の東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌスによって東ゴート族から防衛されることとなります。サラセン人による略奪やブルガリア帝国の占領を経て、コトルは次第に発展し、特に10世紀には重要な商業都市としての地位を確立しました。

14世紀からはヴェネツィア共和国の支配下となり、コトルはその影響を色濃く受けた地域の一部となります。この時期には美しい建築群が建設され、イルリュリア人がローマ化される過程でコトルは重要な文化拠点となりました。

自然と景観

コトル湾はアドリア海でも最も美しい部分の一つで、しばしばヨーロッパのフィヨルドと称されます。しかし実際にはリアス式海岸の一部です。周囲は石灰岩の断崖に囲まれ、ここから広がる地中海の美しい風景は訪れる人々の心をつかんで離しません。特にオリイェンやロヴチェンといった近隣の名山は、アクティブな観光客に人気があります。

世界遺産としてのコトル

1979年には「コトルの自然と文化歴史地域」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。これに続き、2017年にはコトルの要塞都市が新たに登録され、コトルの歴史的重要性が再認識されています。街の中には、1166年に建てられた聖トリプン大聖堂や、ロマネスク様式の聖ルカ教会など、歴史的建物が点在し、また城壁を含む旧市街は美しく保存されています。

みどころ

コトルの魅力は多くの観光名所にあります。聖トリプン大聖堂はその美しい姿で人々を惹きつけ、海洋博物館や大時計などの歴史的な遺物も訪れる価値があります。また、スヴェティ・ジョルジェやゴスパ・オド・シュクピイェラといった小島は、コトル周辺の観光地として人気があります。

交通とアクセス

コトルはアドリアハイウェイを利用して他の都市と繋がっています。また、ティヴァト空港が近くにあり、ベオグラードやモスクワ、パリなどへの定期便が運航されています。'コトルの歴史と自然、美しい風景を楽しむためのアクセスも便利で、多くの旅行者が訪れています。

地元民と多様な文化

コトルには、モンテネグロ人を中心に、様々な民族が暮らしています。かつてはセルビア人やイタリア人も多かったですが、現在はモンテネグロ人が大多数を占めています。市内では、地域の文化を色濃く反映した行事が行われ、多様な伝統を体験することができます。

コトルはその美しい風景と歴史的な建物、そして多様な文化が融合した魅力的な町です。訪れるすべての人々に、特別な体験と思い出を与えてくれることでしょう。

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