ブライアン・ネルソン

ブライアン・ローレンス・ネルソン（Bryant Lawrence Nelson , 1974年1月27日 - ）は、アメリカ合衆国アーカンソー州クロセット出身の元プロ野球選手（内野手、外野手）です。右投両打で、台湾球界では尼爾森という登録名でプレーしました。

経歴

1993年のMLBドラフト44巡目（全体1230位）でヒューストン・アストロズから指名されプロ入りしましたが、メジャー昇格までは長く、マイナーリーグやメキシカンリーグでのプレー期間が続きました。2002年にボストン・レッドソックスでメジャーデビューを果たし、25試合に出場しました。

2003年には、福岡ダイエーホークス（現：福岡ソフトバンクホークス）に入団。入団テストを経て、スイッチヒッターで内外野を器用にこなせるユーティリティープレイヤーとして期待されました。同年には、「台湾プロ野球の本塁打王」の肩書を持つ陳文賓も入団しており、当初ネルソンは中軸打者としての期待は高くありませんでした。しかし、主砲の小久保裕紀がオープン戦でシーズン絶望となる重傷を負ったことで、三塁を守れるネルソンに注目が集まり始めました。オープン戦で結果を残せなかった陳文賓に代わり、ネルソンは開幕一軍の座を掴みます。開幕戦では「8番・三塁手」としてスタメン出場し、複数安打を記録。その後もレギュラーとして出場を続けましたが、打撃は振るわず、4月上旬には二軍落ちも経験しました。

再昇格後もヒットに恵まれない時期が続きましたが、5月14日の対近鉄戦で開幕戦以来となる複数安打を放ちます。この試合では、球団タイ記録となる8点差を逆転してのサヨナラ勝利を挙げ、そのサヨナラ安打を放ったのがネルソンでした。5月下旬には、それまで1本も打てなかった本塁打を5試合で3本放つなど、活躍を見せました。しかし、7月7日に左鎖骨付近の痛みを訴え再び二軍に降格。鳥越裕介が遊撃の定位置に復帰し、川﨑宗則が三塁手に回ったため、ネルソンに出番は回ってきませんでした。その後、一軍に再昇格することなく、9月10日に検査のため帰国し、そのまま退団となりました。

ダイエーは、1999年のメルビン・ニエベスから2003年のネルソンまで、5年連続で両打ちの外国人野手を獲得していましたが、ニエベスが2年在籍した以外は、いずれも期待に応えられず1年で解雇されています。毎年のようにスイッチヒッターの獲得に失敗したことから、ダイエー（2005年以降はソフトバンク）はネルソンを最後に、2022年シーズンにフレディ・ガルビスを獲得するまで、両打ちの外国人野手を獲得していません。

ダイエー退団後の2004年は、シカゴ・ホワイトソックス傘下のマイナーリーグでプレー。2005年は、トロント・ブルージェイズ傘下のマイナーリーグでプレーしました。2006年には、台湾球界の統一ライオンズでプレーしましたが、結果を残せずシーズン途中で退団しました。

統一退団後は、メキシカンリーグや独立リーグなど、様々なリーグでプレーを続けました。2016年には、アトランティックリーグで通算1000本安打を達成し、「アトランティックリーグ1000ヒットクラブ」のメンバーとなりました。そして、42歳となったこの年限りで現役を引退しました。

NPBでの記録

初出場・初先発出場：2003年3月28日、対千葉ロッテマリーンズ1回戦（福岡ドーム）、8番・三塁手
初打席：同上、2回裏にネイサン・ミンチーから二塁ゴロ
初安打：同上、4回裏にネイサン・ミンチーから右前安打
初打点：同上、5回裏にネイサン・ミンチーから中前2点適時打
初盗塁：同上、5回裏に二盗（投手：ネイサン・ミンチー、捕手：清水将海）
初本塁打：2003年5月20日、対日本ハムファイターズ11回戦（東京ドーム）、4回表に関根裕之から右越ソロ

背番号

58（2002年）
4（2003年）
* 12（2006年）

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