ブラウザ拡張機能

ブラウザ拡張機能とは

ブラウザ拡張機能とは、ウェブブラウザの機能を拡張するためのコンピュータプログラムです。プラグインやアドオンとも呼ばれます。HTMLやJavaScriptなどのウェブ技術を利用して開発されており、ツールバーの追加やウェブサイトの表示内容変更など、様々な機能を実現します。

歴史

主要なウェブブラウザは、それぞれ異なる時期に拡張機能に対応しました。

Internet Explorer: 1999年 (バージョン5)
Mozilla Firefox: 2004年 (リリース開始時)
Opera: 2009年 (バージョン10)
Google Chrome: 2010年 (バージョン4)
Apple Safari: 2010年 (バージョン5)

しかし、拡張機能の構文はブラウザによって大きく異なり、あるブラウザで動作する拡張機能が他のブラウザで動作しないこともあります。Mycroftのようなプロジェクトでは、マルチタグ戦略を用いてこの問題を回避しようとする動きもあります。

インストール

多くのブラウザには、拡張機能を検索・インストールできるオンラインストアが用意されています。Google Chrome、Mozilla Firefox、Safariなどは、それぞれ独自のストアを提供しています。

機能

ブラウザ拡張機能の用途は多岐にわたります。

ツールバー: ブラウザのGUIを拡張し、様々な機能へのアクセスを容易にします。
プラグイン: APIを通じてブラウザに機能を追加し、サードパーティーによる機能拡張を可能にします。初期のAPIはNPAPIでしたが、Google ChromeではPPAPIが導入されました。
プライバシー保護: ユーザのオンラインプライバシーを保護し、トラッキングや広告をブロックする機能を提供します。

プライバシー

拡張機能は、オンラインプライバシーを保護するための有効なツールとなる一方、個人情報漏洩のリスクも孕んでいます。プライバシー関連の拡張機能は、主に以下の3つのカテゴリに分類されます。

1. トラッキング防止: 第三者によるユーザ追跡を防止します。
2. 広告・スクリプトブロック: 広告や不要なスクリプトをブロックします。
3. セキュリティツール: 受動的なセキュリティ対策を提供し、脅威から保護します。

開発

ブラウザ拡張機能の開発は、各ブラウザ固有のアーキテクチャとAPIに合わせて行う必要があります。しかし、開発フレームワークの登場により、クロスブラウザ対応の拡張機能を開発することが可能になりました。

Add-ons Framework: Internet Explorer, Firefox, Chrome, Safari, Operaに対応
Crossrider: Internet Explorer, Firefox, Chrome, Safariに対応
Extension Maker: コード記述不要で、既存ブロックから拡張機能開発が可能

望まない動作

ブラウザ拡張機能は、ブラウザのあらゆる機能にアクセスできるため、悪意のある拡張機能がユーザの意図しない動作を引き起こす可能性があります。

マルウェア: 悪質な拡張機能は、ウェブページの改ざん、ファイルのダウンロード、アカウントの乗っ取りなどを行うことがあります。
不要バンドル: 不要なソフトウェアをインストールさせる拡張機能も存在します。
アドウェア: 拡張機能が買収され、第三者企業によってアドウェアが組み込まれる事例もあります。

2012年には、セキュリティ研究者がリモートコントロール可能なマルウェア拡張機能を開発し、2013年には、Facebookのプロファイルを乗っ取る拡張機能が発見されました。また、Google Chromeの拡張機能開発者が、拡張機能を売却後にアドウェアを組み込む事例も報告されています。

まとめ

ブラウザ拡張機能は、ウェブブラウジングを便利にする一方で、セキュリティリスクも伴います。インストールする際は、信頼できる開発元の拡張機能を選ぶように心がけましょう。

関連項目

拡張機能 (Mozilla)
Google Chrome拡張機能
uBlock Origin

外部リンク

WebExtensions Documentation - Mozilla WikiのFirefox向けドキュメント
Neobars - クロスブラウザアドオンプラットフォーム
Add-ons Framework - クロスブラウザアドオンフレームワーク
Just Plug It - クロスブラウザアドオンフレームワーク
Browser Button - クロスブラウザアドオンフレームワーク

もう一度検索