ブラックホール (キン肉マン)

ブラックホール：四次元を操る悪魔超人

ブラックホールは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する人気のキャラクターです。悪魔超人に属し、その異質な風貌と能力で読者を魅了してきました。

特徴

全身が黒く、胸に「BH」の文字が記されています。最も特徴的なのは、顔面にある巨大な穴（フェイスホール）です。この穴は四次元空間に通じており、吸い込んだ者を閉じ込めたり、遠隔地へ移動させたりすることができます。穴の大きさは自在に変化させることができ、攻撃をかわしたり、相手を拘束したりと、攻防に利用されます。また、額には星型の印があり、全力を出す際に発光しますが、その間のスタミナ消費は非常に大きいという弱点も持ち合わせています。

口癖は「カ〜カカカ」。悪魔超人の中でも屈指のスタミナを持ち、教官スニゲーターからはバッファローマンと共に「手間のかからない優等生」と評されています。影の中を自由に移動したり、分身を作り出したりする四次元レスリングを得意とし、紳士的な態度と話術で相手をソーラーハウスデスマッチへと誘い込み、数多くの超人を葬ってきました。見た目は奇抜ですが、繰り出す技はオーソドックスなレスリング系が多いのが特徴です。

また、ブラックホールは『キン肉マン』のコミックスを全巻所持しており、キン肉マンの攻略法を研究しているという設定もあります。この知識を駆使して、テリーマンが変装したキン肉マンを見破ったこともあります。

作者のゆでたまごは、当初ブラックホールを7人の悪魔超人のリーダーにする予定だったと語っています。しかし、闘い方のアイディアが次々と浮かんできたため、早めに活躍させたいと考え、二番手に変更したそうです。ブラックホールのデザインは作者自身も気に入っており、「表情がない分、独特のアクションやポージングで表現していくのが楽しい」と語っています。

学研の図鑑『キン肉マン「超人」』では、「時空超人の仲間」に分類されています。

『キン肉マン』での活躍

7人の悪魔超人編

ブラックホールは、バッファローマン率いる7人の悪魔超人の一員として登場します。残虐ファイトを繰り返し、超人委員会によって宇宙の果てに幽閉されていましたが、何らかの原因でロックが外れ、地球に襲来します。そして、超人オリンピックV2チャンピオンのキン肉マンに戦いを挑みます。

ステカセキングが敗れた後、2番目の刺客として後楽園球場でキン肉マンと対戦。ソーラーハウスデスマッチに持ち込み、四次元レスリングで優位に試合を進めますが、サン・マッスルによって影を消されてしまい、ダメージを受けます。その後、必殺技「吸引ブラックホール」でキン肉マンを四次元空間に送り込みますが、キン肉マンが四次元空間に開いたヒビから脱出し、肉弾エルボードロップを受けて敗北します。アトランティス戦では、悪霊として現れキン肉マンを苦しめますが、テリーマンに阻まれ、地中に封じ込められます。最終的には悪魔六騎士によって首を刎ねられ、遺体は胴塚に放置されます。

夢の超人タッグ編

夢の超人タッグ編では、ペンタゴンとタッグチーム「四次元殺法コンビ」を結成し、銀河系超人タッグのタイトルを奪取します。宇宙超人タッグ・トーナメントに出場しますが、1回戦でマッスル・ブラザーズに敗退します。この際、アシュラマンから「出場メンバーの中で一番弱いチーム」と評されてしまいます。

完璧超人始祖編

復活したブラックホールは、悪魔超人軍の一員として完璧超人軍との対抗戦に参戦します。ラーメンマンの代わりにダルメシマンと対戦し、新技「フォーディメンションキル」で勝利します。続くジャック・チーとの戦いでは、四次元殺法が封じられ大苦戦しますが、ペンタゴンの助けを借りて勝利を収めます。

このシリーズでは、バッファローマンから「BH」という通称で呼ばれるようになり、悪魔超人のリーダーに戻ることに後ろめたさを感じていたバッファローマンを叱咤激励しました。また、このシリーズでブラックホールは、過去の戦いを踏まえ、更なる成長を遂げている事が描かれています。

オメガ・ケンタウリの六鎗客編

サンシャインたちと魔界の宮殿にいたところを、大魔王サタンの結界に閉じ込められますが、ジャスティスマンによって結界は解除されます。

新シリーズ

新シリーズでは、調和の神が選んだ超人を選ぶ際、サンシャインの背後で見守っていました。

主要対戦成績

シングルマッチ
×キン肉マン（肉弾エルボードロップ）
○ダルメシマン（フォーディメンションキル）
○ジャック・チー（フォーディメンションキル）
タッグマッチ
○スカイマン&カレクック組
×マッスル・ブラザーズ（キン肉マン / キン肉マングレート、マッスル・ドッキング）

劇場版での活躍

劇場版『キン肉マン逆襲!宇宙かくれ超人』では、ハイドラキングによって蘇生され、ニューブラックホールとしてパワーアップします。

得意技

四次元レスリング
シャドー・コブラツイスト
影縛りドラゴンスープレックス
ブラックホールキャッチ
シャドウハイド / シャドウハイディング
影分身
8メンブラックホールキック
吸引ブラックホール
至高のブラックホール
フォーディメンションキル
赤き死のマント
ロケーションムーブ
グローリーホール
四次元エレメント交差
四次元ワープ（タッグ技）
四次元交差（タッグ技）

プロフィール

分類：悪魔超人
出身地：バミューダ海域（初期は異次元）
身長：201cm
体重：110kg / 420kg
超人強度：200万パワー
年齢：26歳
異名：眠れる獅子、暗黒ミステリー、闇の殺し屋、異次元からの刺客、何でものみこむブラックホール、黒の殺人ソムリエ、奇術師、四次元に潜む怪しき影、四次元の番人

声優

郷里大輔
岸野一彦
宮田俊哉

テーマソング

バミューダミステリー

ゲーム

様々なキン肉マンゲームに登場し、その人気を博しています。

補足

黄金のマスク編で読者応募超人として、ブラックホールに酷似した3人組の超人「バミューダIII」が登場しています。また、小説『ディープオブマッスル!!』では、ブラックホールの故郷が異次元空間であることが語られています。

ブラックホールとバッファローマンは悪魔超人時代の同志ですが、当初はソリが合わなかったという設定がありました。しかし、「完璧超人始祖編」では良好な関係が描かれています。

インターネット上では、ブラックホールとペンタゴンによるアスキーアートが普及しており、原作者のゆでたまごが著作権侵害を指摘したことが話題になりました。

参考文献

ゆでたまご著、TEAM MUSCLE 編『キン肉マン超人大全』集英社〈ジャンプコミックスセレクション〉、1998年
TEAM MUSCLE 編『キン肉マン超人大全集』集英社インターナショナル、2004年