超人強度

超人強度とは

超人強度（ちょうじんきょうど）は、漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する架空の存在「超人」の強さを数値化したものです。超人パワーとも呼ばれ、「○○パワー」という単位で表記されます。この数値は、物語の初期には超人同士の強さを比較する重要な指標でしたが、物語が進むにつれて、超人の強さを絶対的に示すものではないという点が描かれるようになりました。

超人強度の登場と変遷

超人強度が初めて登場したのは、「7人の悪魔超人編」におけるウォーズマンとバッファローマンの試合です。ウォーズマンが100万パワーであるのに対し、バッファローマンは1000万パワーという圧倒的な数値で登場し、その規格外の強さを示しました。当初は超人の強さを測る明確な基準として扱われていましたが、「黄金のマスク編」以降は、超人強度が他の超人を蘇らせたり、物語を盛り上げるための設定として利用されることが多くなりました。

「黄金のマスク編」では、超人の硬さを表す「超人硬度」も登場し、超人強度と同様に強さを表す数値として用いられました。物語が進むにつれて数値はエスカレートし、「キン肉星王位争奪編」では1億パワーの超人が登場する一方で、100万パワー以下の超人が勝利する場面も描かれ、超人強度が絶対的なものではないことが強調されました。

超人強度の設定

作者によると、最初に設定された超人強度はウォーズマンの100万パワーを基準としています。本編に数値が登場しないキャラクターの超人強度は、後年になって設定されることが多く、ゲーム作品で設定された数値が後に公式採用されることもありました。

続編の『キン肉マンII世』では、超人強度の設定は抑えめになり、「復活超人オリンピックザ・レザレクション編」までに登場する新世代超人の最高値は150万パワーとなっています。しかし、「悪魔の種子編」では、900万パワーを超える超人や、終盤の強敵ボルトマンの1200万パワーなど、インフレが再び起こっています。

超人強度は超人の強さを表すとされていますが、具体的な評価方法は明確ではありません。物語の後半では、超人強度に大きな差があっても数値の低い方が勝つことが多く、強さの指標としては形骸化している面もあります。

超人強度のアイデアは、初代担当編集者の松井栄元氏によるもので、強さの数値化は『鉄腕アトム』のプルートゥから着想を得ています。数値がキリの良い数字ではなく細かく刻まれている理由は、作者によれば「子供がマニアックだから」、松井氏によれば「関西人だから、お釣りの出る数字」だと語られています。

超人強度にまつわる設定・事象

キン肉マン

- 「7人の悪魔超人編」では、地球で活躍する超人の最高強度は100万パワーとされていました。
- アイドル超人は並の正義超人よりも超人強度が高く、テリーマンなどはパワー減少による疲労が大きかったことが描かれています。
- アニメでは、超人強度はあくまでパワーであり、本当の強さは技との組み合わせであると解説されています。
- ウォーズマンは、ベアークローを使用することで一時的に1200万パワー相当の力を出すことができました。
- キン肉バスター返しには、当初は技を仕掛けた超人の約10倍の超人強度が必要とされていましたが、後に95万パワーのテリーマンが1000万パワーのアシュラマンの技を返そうとする描写があります。
- バッファローマンは、悪魔との契約により、超人を倒すごとにパワーを増し、100万パワーから1000万パワーになったとされています。
- 超人強度の低い超人の方が、走ることに有利という設定もあります。
- 悪魔超人時代のバッファローマンは、0パワーから1000万パワーの範囲で自由に超人強度を調整できました。
- 超人同士であれば、パワーを分け与えることで死者を蘇らせることが可能ですが、人間は受け取れません。
- バッファローマンは、残された300万パワーでロビンマスク、ウォーズマン、ウルフマンを蘇らせています。
- 「黄金のマスク編」では、ウルフマンがスニゲーターに超人強度を奪われ死亡したキン肉マンにパワーを分け与えています。
- 超人強度を測定する機器が存在し、大型のものは100万パワーが上限でした。
- キン肉星王位争奪編では、5000万パワーまで計測可能な超人パワーガンが登場しましたが、キン肉マンの火事場のクソ力で壊れてしまいました。
- ターボメンは、体内のアースユニットで相手の超人強度を吸収でき、その最大値は自身の4000万パワーの2倍である8000万パワーでした。
- オメガの民が使用するゲート型やハンディ型の超人強度測定器も登場しています。
- キン肉マンは、ザ・ニンジャの順逆自在の術に対抗するには最低500万パワーが必要と発言していますが、ザ・ニンジャの実際の超人強度は360万パワーです。
- 超人強度は一度備われば上がりも下がりもしないのが基本ですが、キン肉マンの火事場のクソ力は例外的に数十倍のパワーを発揮し、成長もします。ザ・マシンガンズ対ヘル・ミッショネルズの決着時には7000万パワーに達しました。
- 超人の神々は1億パワーを持ち、神が乗り移った超人も同様に1億パワーを備えています。神の1億パワーは、一般の超人には到達不可能な数値とされていました。
- ミキサー大帝の「超人パワー分離器」は、超人のパワーを分離することができます。
- 返し技は、相手のパワーを上回って初めて可能とされ、1000万パワーのアシュラマンの技を返したサタンクロスの超人強度は、2000万パワー以上だと推測されています。
- 完璧超人のパワーは、一般超人の20倍です。
- サイコマンが発見した「マグネット・パワー」は、地球のエネルギーで、これと超人のパワーを融合させることで増強できます。
- オメガの民は、地球に住んでいた頃とは比較にならない巨大な超人強度を持っています。最高値はオメガマン・ディクシアの8600万パワーです。
- 超人の神々は、1万パワーを犠牲にすることで下天し受肉します。そのため、下天した神の姿である超神は9999万パワーとなっています。
- 宇宙全体のエネルギー量は決まっており、超人のパワーが増加すると、他のエネルギーが犠牲になるとされています。
- 超人の強さは、基本的に自身の肉体のみを鍛えることでしか強化できないとされています。しかし、キン肉マンの火事場のクソ力は、友情によってパワーを借用し、必要な場所に集中させることで強化しています。

キン肉マンII世

- 同じ能力の超人同士の戦いでは、超人強度の高い方が有利とされます。
- 悪魔超人の正規軍は、最低500万パワー、究極は1000万パワーとされています。
- 悪魔将軍の1500万パワーは、絶大なパワーとして描かれています。
- 『キン肉マンII世』の時代では超人の大型化が進んでおり、1000万パワーを超える超人は珍しくありませんが、実際に試合をしている新世代超人で1000万パワーを超えているのはボルトマン（1200万パワー）のみです。

THE超人様

- 超人強度測定器メーカーの最高顧問である「N氏」が登場し、超人強度について「正直よくわからない」と告白しています。
- 悪魔超人の超人強度は、魔界の技術で測定されています。

主な超人の超人強度

- 最大：超人の神々の1億パワー
- 最小：カニベースの2パワー

以下に、作中で重要な意味を持つ超人強度の一部を列挙します。

- 93万パワー: キン肉万太郎
- 95万パワー: キン肉マン、キン肉マンスーパー・フェニックス、オメガマン・アリステラ（幼少期）
- 100万パワー: ウォーズマン
- 117万パワー: ケビンマスク
- 132万パワー: レゴックス
- 700万パワー: ザ・コンステレーション
- 1000万パワー: バッファローマン、アシュラマン
- 1200万パワー: ウォーズマン（二刀流ベアークローにより）
- 1500万パワー: 悪魔将軍、ケンダマン
- 5000万パワー: ネプチューン・キング
- 5200万パワー: プリズマン
- 7000万パワー: 火事場のクソ力を発揮したキン肉マン
- 8000万パワー: パイレートマン
- 8600万パワー: オメガマン・アリステラ、オメガマン・ディクシア
- 9999万パワー: ザ・マン、超神
- 1億パワー：超人の神々、運命の5王子（キン肉マンスーパー・フェニックスなど）、ウォーズマン（スーパーユウジョウモード）

詳細な超人強度については、各キャラクターの項目を参照してください。

脚注

（ここに脚注があれば記述）

出典

（ここに参考文献があれば記述）