ブリスター!

映画『ブリスター!』詳細解説

『ブリスター!』（Blister）は、2000年7月1日に公開された日本の映画です。主演は伊藤英明、監督は須賀大観が務めました。この作品は、コレクター、オタク、そしてサブカルチャーの世界に生きる若者たちの、独特なこだわりと葛藤を、軽快かつ多彩な映像表現で描いています。

概要

この映画は、単なるフィギュア愛好家の物語にとどまらず、それぞれのキャラクターが抱える内面の葛藤や、人間関係における複雑さを浮き彫りにしています。作中に登場するヘルバンカーのフィギュアがセットになった前売券が発売されるなど、公開前から話題を呼びました。また、2000年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭ではファンタランド大賞（観客投票1位）を受賞し、みちのく国際ミステリー映画祭でも新人監督奨励賞グランプリを獲得するなど、高い評価を得ています。

ストーリー

物語は、荒廃した未来の砂漠から始まります。そこでは、二人の男が互いに銃を突きつけ合い、一方は鞄の中のプラスチックを要求します。しかし、もう一方はそのプラスチックを「ただのプラスチックではない、人類を救う鍵だ」と主張します。そのプラスチックとは、トロン、スターマン、ウィッチブレイド、ハイランダー、アースワームジム、第5惑星、プルガサリ、エイリアンネイション、バッカルーバンザイ、ココバットジョー、スパイダーマン、ハードウェアウォーズといった、かつて『フィギュア』と呼ばれたものでした。

場面は現代に移り、アメコミフィギュアコレクターのユウジが登場します。彼は稼ぎのほとんどをフィギュアにつぎ込み、恋人のマミを困らせています。ユウジが探し求めるのは、絶版となったコミックのヒーロー「ヘルバンカー」のフィギュア。彼は世界に一つしかないと言われるこのフィギュアを手に入れるため、奔走します。マミはそんな彼に悲しげな表情を見せますが、ユウジは全く省みません。

ユウジの周りには、筋金入りのSFマニアであるテラダや、モデラーのアニメオタクであるハサモト、レア物を手に入れるためなら手段を選ばないキムといった、一癖も二癖もあるマニアたちがいます。テラダとハサモトは、それぞれのこだわりを追求するあまり、自らを追い詰めています。ユウジもまた、「ヘルバンカー」の裏取引を持ちかけられ、そのためにマミとの共有財産を売り払い、二人の仲は決定的に悪化します。

果たしてユウジは「ヘルバンカー」を手に入れることができるのか、そしてユウジとマミは関係を修復できるのか、というのが物語の軸となっています。

スタッフ

監督・編集：須賀大観
プロデューサー：藤巻直哉
制作プロデューサー：小椋悟
脚本：猪爪慎一
撮影：西久保維宏
照明：赤津淳一
クリーチャーデザイン：原健一郎
フィギュア制作監修：蘆田明稔
製作：博報堂、テレビ東京、ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
製作プロダクション：小椋事務所
配給：スローラーナー

キャスト

伊藤英明（ユウジ）
真田麻垂美（マミ/麻美）
大塚明夫（テラダ）
山崎裕太（ハサモト/挟本和人）
櫻田宗久（キム）
つじしんめい（クミホ）
関川陽子（イルマ）
大岩サチヲ（アキオ）
ポール・ラドケップ（レン）
今村明宏（バーのオーナー）
鮎貝健（フリーボーン）
デニス・ガン (フィンク)
パトリック・ハーラン（ガンダーク）
クレール・タナー（アトレイデス）
岩永ヒカル（スケクシス）
パトリック・マーチン（H.R.スーン博士）
MATTHEW MEERSBERGEN（ジーン・カルボーナン）

関連項目

アクションフィギュア

外部リンク

公式サイト - ウェイバックマシン（2004年3月26日アーカイブ分）

もう一度検索