小椋悟

小椋悟：映画、音楽、脚本のマルチな才能を発揮するプロデューサー

小椋悟氏は、1957年生まれの映画プロデューサー、音楽家、そして脚本家です。JAZZ FILM株式会社のチーフプロデューサーを務める傍ら、京都芸術大学客員教授も歴任するなど、映画業界において確固たる地位を築いています。神奈川県川崎市出身の小椋氏は、1980年代半ばからフリーの映像プロデューサーとしてキャリアをスタートさせました。当初は映画にとどまらず、テレビ番組、ビデオソフト、CMなど、幅広い映像制作に携わっていました。

1990年代以降は、独立系映画プロデューサーとして活動の中心を移し、邦画の大作から国際共同製作作品、インディーズ作品まで、多様なジャンルの映画製作を手がけてきました。これまでに20作品以上の映画を企画・プロデュースし、その手腕は高く評価されています。

小椋氏が手がけた作品は、日本国内のみならず、世界各国で公開されています。特に海外市場では大きな成功を収めており、『蟲師』（2007年、監督：大友克洋）は世界約40ヶ国で、『下妻物語』（2004年、監督：中島哲也）はフランスで約100館という邦画最多公開数を記録するなど、国際的な人気を博しています。

さらに、小椋氏が企画・プロデュースした劇場映画のうち7作品は、カンヌ国際[[映画祭]]、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際[[映画祭]]といった世界三大映画祭に正式招待され、レッドカーペットを歩きました。これ以外にも、モスクワ国際[[映画祭]]、トロント国際[[映画祭]]、サンダンス[[映画祭]]、東京国際映画祭、ロッテルダム国際[[映画祭]]など、数多くの国内外の映画祭で作品を発表しています。その功績は高く評価されており、『幸福の鐘』（英題:Blessing Bell）は第53回ベルリン国際[[映画祭]]NETPAC賞（最優秀アジア映画賞）を受賞、『下妻物語』（英題:Kamikaze Girls）は2006年カンヌJr.フェスティバル・グランプリを受賞するなど、ヨーロッパを中心に数々の映画賞を獲得しています。

映画制作以外にも、小椋氏は多様な活動を行っています。Asia Pacific Producer Network（APPN）の日本代表を務めた経験や、SKIPシティ国際デジタルシネマ映画祭の長編部門審査委員長を務めた経験など、映画業界の発展にも貢献しています。また、約10年間映画監督鈴木清順氏の正式エージェントを務めるなど、人脈も広く、業界に大きな影響力を持っています。

音楽家としての顔も持ち、NHKのドキュメンタリー番組、バレエ音楽、アニメーションサウンドトラック、CM音楽、舞台音楽など、幅広いジャンルの音楽制作を手がけています。2019年にはJAZZ FILM Inc.にチーフプロデューサーとして就任し、国際情勢が不安定なイランでロケを行ったNHK BS1スペシャル『イスラムに愛された日本人～知の巨人井筒俊彦～』（2019年11月8日放送）の企画・プロデュースを担当するなど、精力的に活動を続けています。

小椋氏の作品リストには、『爆 BAKU!』、『ドライビング・ハイ!』、『EM／エンバーミング』、『ブリスター!』、『けものがれ、俺らの猿と』、『ピストルオペラ』、『幸福の鐘』、『ハードラックヒーロー』、『下妻物語』、『タナカヒロシのすべて』、『姑獲鳥の夏』、『オペレッタ狸御殿』、『蟲師』、『魍魎の匣』、『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』、『ウォーリアー&ウルフ』、『KING GAME』、『七瀬ふたたび』、『死刑台のエレベーター』、『ラビット・ホラー3D』、『新しい靴を買わなくちゃ』、『風邪（ふうじゃ）』など、数多くの映画タイトルが並びます。これらの作品には、錚々たる監督や俳優陣が名を連ねています。また、テレビドラマ、オリジナルビデオ、TVCM、ミュージックビデオ、脚本、CD制作、舞台音楽など、その活動範囲は実に多岐に渡ります。

小椋悟氏は、単なる映画プロデューサーの枠を超え、映画界、音楽界に多大な貢献をし、その才能はこれからも日本の文化の発展に大きく寄与していくことでしょう。

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