ブリストル バックマスター

ブリストル バックマスター (Bristol Buckmaster)

ブリストル バックマスターは、1950年代にイギリス空軍で使用された高度な訓練機です。本機は戦後の航空機開発の流れの中で登場し、従来の航空機との間に存在する性能の差を埋める目的で設計されました。

設計と開発

1945年には、既存の高等練習機であるアブロ アンソンやエアスピード オックスフォード、さらにはブリストル ブレニムやロッキード ハドソンが運用されていましたが、これらはパイロット訓練校を卒業した後に操縦する第一線機との間に大きな性能の差がありました。この問題を解決するため、航空省は新たな高等練習機を求める仕様 T.13/43を発表しました。これを受けてブリストル社は新しい機体の設計に取り掛かり、胴体部分は新たに設計され、主翼はバッキンガムのものを流用することとなりました。さらに、バックマスターは166型として開発され、訓練生と教官が並んで座れる設計を採用し、その後ろに通信士が搭載される形になっています。

バックマスターは中翼配置のプロペラ双発機で、尾輪式の引き込み式降着装置を搭載していました。星型エンジンは4枚ブレードのプロペラを装備し、動力として優れた性能を発揮します。

運用の歴史

ブリストル バックマスターは合計で65機が生産され、未完成のバッキンガム爆撃機を改装して完成した機体も含まれていました。これに新規に生産されたバックマスターが追加され、これらすべてが高等練習機としてイギリス空軍に配備されました。本機は「イギリス空軍内で最も高性能な練習機」として評価され、1950年代半ばまでその地位を確保し続けました。

諸元

ブリストル バックマスターの具体的な諸元は以下の通りです：

• - 乗員：3名（操縦訓練生、操縦教官、無線士）
• - 全長：14.2 m （46 ft 5 in）
• - 翼幅：21.9 m（71 ft 10 in）
• - 翼面積：65.8 m² （708 ft²）
• - 空虚重量：10,900 kg （24,042 lb）
• - 運用時重量：15,280 kg （33,700 lb）
• - 最大離陸重量：未定
• - 動力：ブリストル セントーラス VII 18気筒星型エンジン × 2

性能

• - 最大速度：566 km/h （306 kn） at 12,000 ft (3,700 m)
• - 巡航速度：530 km/h （282 kn） at 18,000 ft (5,500 m)
• - 航続距離：3,200 km （1,700 nmi）
• - 実用上昇限度：未定
• - 巡航高度：30,000 ft (9,000 m)
• - 上昇率：11.3 m/s （2,245 ft/min）
• - 離陸滑走距離・着陸滑走距離：未定

このように、ブリストル バックマスターはその特徴的な設計と性能により、イギリス空軍において重要な役割を果たした高等練習機であり、次世代のパイロット育成に貢献しました。

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