ブリタニア (蒸気船)

RMS ブリタニアの概要

RMSブリタニアは、1840年にスコットランドのロバート・ダンカン＆カンパニーで建造されたキュナード・ラインの初期を代表する外輪式蒸気船です。同型船にはアカディア、カレドニア、コロンビアがあり、大西洋横断航路で重要な役割を担いました。

主要な特徴と性能

ブリタニアは、全長63メートル、全幅10.3メートルと比較的コンパクトな船体でした。3本のマストには補助用の帆が備えられ、外輪推進と約740馬力の蒸気エンジンによって、平均速度約10ノットでの航海を可能にしました。総トン数は1,154トンで、乗客115人と乗組員82人を収容できました。

処女航海とブルーリボン賞

1840年7月4日、ブリタニアは処女航海としてハリファックスからリヴァプールまでの大西洋横断に挑みました。その所要時間は12日10時間で、復路は10日間という驚異的な速さを記録しました。同年8月14日には、10.98ノットの速度と9日21時間44分の航海時間で、当時最速だったグレート・ウェスタンの記録を塗り替え、名誉あるブルーリボン賞を受賞しました。

ブリタニアは、姉妹船のアカディア、カレドニア、コロンビアと共に、乗客と貨物の輸送を担いました。上甲板にはダイニングルームがあり、女性専用のサロンも設けられていました。ハリファックスまでの運賃は35ギニーで、食事も含まれていたとされています。

1842年5月11日、ブリタニアはグレート・ウェスタンに記録を更新され、ブルーリボン賞を明け渡しました。

軍艦としての転用とその後

1849年3月、ブリタニアはキュナード・ラインからドイツ海軍に売却され、バルバロッサ（SMS Barbarossa）と改名されました。バルバロッサは9門の砲を搭載し、カール・ルドルフ・ブロミー提督の旗艦として1849年のヘルゴラント海戦に参加しました。

1852年6月にはプロイセン海軍に移籍し、ダンツィヒ（現在のグダニスク）で宿泊艦として使用されました。1880年5月にプロイセン海軍から除籍され、同年7月には標的艦として海に沈められました。

関連事項

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