ブリタニック (客船・3代)

概要

ブリタニック（RMS Britannic）は、イギリスの海運会社ホワイト・スター・ラインが所有した客船です。1929年に進水し、1930年に竣工しました。この船は、ハーランド・アンド・ウルフ造船所で建造され、総トン数26,943トン、全長217.0メートルを誇ります。

特筆すべきは、ホワイト・スター・ラインの客船の中で唯一、ディーゼルエンジンを搭載していた点です。また、姉妹船としてジョージック（RMS Georgic）が存在します。ブリタニックは、その豪華な内装で高い評価を受け、特にアール・デコ様式で装飾された調度品は、当時の人々を魅了しました。

航海

1930年6月28日、ブリタニックは処女航海として、リヴァプール-ベルファスト-グラスゴー-ニューヨークのルートで出発しました。その後、冬期にはカリブ海を航行するルートが設けられ、多くの乗客を運びました。1934年には、ホワイト・スター・ラインがキュナード・ラインに吸収合併され、ブリタニックの所有もキュナード・ラインに移りました。1935年からは、ロンドン-ニューヨーク間の定期航路に就航し、第二次世界大戦が始まるまで運航を続けました。

第二次世界大戦中、ブリタニックは兵員輸送船として徴用され、180,000人もの兵士を輸送し、総航海距離は376,000マイルに及びました。戦後、1948年に通常の客船としての運航を再開しました。

その後

ホワイト・スター・ラインとキュナード・ラインの合併により、キュナード・ホワイト・スター・ラインが設立されました。その後、1950年にキュナード・ラインに統合されましたが、ブリタニックの塗装はホワイト・スター・ライン時代のまま維持され、マストにはキュナード・ラインの旗の下にホワイト・スター・ラインの旗が掲げられていました。1950年6月には、パイオニア・ランドとの衝突事故がありましたが、修理されて運航を続けました。

最後の航海

1960年11月25日、ブリタニックはニューヨークを出港し、最後の航海へと出発しました。ブリタニックは、かつてホワイト・スター・ラインが所有し、大西洋を横断した最後の船となりました。1960年12月2日、リヴァプールに到着し、その役目を終えました。同年12月16日には、解体工事のためリヴァプールを出港し、解体されました。ブリタニックの退役は、大西洋横断客船の歴史における一つの区切りとなりました。

関連項目

ハーランド・アンド・ウルフ
ホワイト・スター・ライン
キュナード・ライン
ブリタニック (客船・初代) - 本船と同名、同一所有者の船舶（初代）。
* ブリタニック (客船・2代) - 本船と同名、同一所有者の船舶（2代）。

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