ブリッジズ・トゥ・バビロン
ローリング・ストーンズのオリジナルアルバム『ブリッジズ・トゥ・バビロン』(Bridges to Babylon)は、1997年のリリースと同時に世界的な話題を呼びました。バンドの公式発表でも「B2B」と略されるこのアルバムは、透明なプラスチックケースに蔦模様が印刷された初回限定盤も存在しました。
このアルバムの最大の特徴は、制作に複数のプロデューサーが関わった点です。ドン・ウォズを始めとした複数のプロデューサー陣が参加したことで、楽曲ごとに異なる雰囲気や完成度を示す作品となりました。ミック・ジャガーはライナーノーツで、マイルス・デイヴィスのプロデューサー起用方法になぞらえ、この制作スタイルを採用したと説明しています。そのため、楽曲の質は高いにも関わらず、アルバム全体の評価は必ずしも高くなく、アメリカや本国での売上は伸び悩みました。しかし、ワールドツアーの開催により、世界的な大ヒットを記録、特に南米や東欧での人気は非常に高く、その地域の音楽シーンに大きな影響を与えました。
さらに、『ブリッジズ・トゥ・バビロン』では、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの個性も際立っています。楽曲「フリップ・ザ・スイッチ」や「トゥー・タイト」では、アップライトベースを用いた伝統的なアプローチが見られ、リチャーズの音楽性を感じさせる部分となっています。また、ストーンズの歴史上初めて、そして2016年時点において唯一となる「1枚のアルバムにキース・リチャーズのリードボーカル曲が3曲収録」という試みも、本作の特徴と言えるでしょう。
参加ミュージシャンも非常に多く、メンバー4人以外に、お馴染みのダリル・ジョーンズ（ベース）、バナード・ファーラー（バックボーカル）といったサポートメンバーに加え、ビリー・プレストン（オルガン）、ワディ・ワクテル（ギター）、ミシェル・ンデゲオチェロ（ベース）、ジム・ケルトナー（パーカッション）、ウェイン・ショーター（サックス）といった豪華ゲストミュージシャンも参加しています。共同プロデューサーのドン・ウォズも演奏に参加しており、これまでにないほど多くのミュージシャンが関わった作品となりました。
2曲目の「エニバディ・シーン・マイ・ベイビー?」は、k.d.ラングとBen Minkの名がクレジットされています。これは、この曲のコーラス部分がk.d.ラングのヒット曲「Constant Craving」に似ていたため、訴訟を避けるための措置でした。この曲は1970年代に制作されながら長らくお蔵入りとなっていましたが、本作でようやく世に出ることとなりました。ミュージックビデオには、当時注目を集め始めたアンジェリーナ・ジョリーがストリッパー役で出演しており、話題となりました。日本ではアルバムの世界先行発売が行われ、この曲がリカットシングルとしてリリースされました。
アルバム制作に関するエピソードも興味深いものがあります。キース・リチャーズは10曲目「オールウェイズ・サファリング」について、ギター演奏のみ参加し、制作にはほとんど関わっていなかったと語っています。また、チャーリー・ワッツは自身の演奏パートを録音後、ほとんどトラックに興味を示さなかったものの、最終的にいくつかの注文を出したこともあったそうです。
『ブリッジズ・トゥ・バビロン』のリリースに続き、「The Rolling Stones Bridges to Babylon World Tour 1997/98」（B2Bツアー）が開催されました。1997年9月4日のトロント公演を皮切りに、翌年9月まで107公演にも及ぶ大規模なツアーとなりました。日本公演は1998年3月12日から21日までの6公演が行われました。このツアーは、バンドの歴史の中でも最も多くのトラブルに見舞われたツアーの一つでもありました。北米、アジア・オセアニア、中南米と順調に進んでいましたが、ヨーロッパツアー直前にキース・リチャーズが自宅で転落事故を起こし肋骨を骨折、約1ヶ月のツアー延期・変更を余儀なくされました。さらに、イギリスでの新しい課税制度の影響を受け、イギリス公演は翌1999年に延期されました。これらの穴埋めのために、1999年にはライヴアルバム『ノー・セキュリティ』を冠したツアーが開催されました。このツアーは、スタジアム公演ではなくアリーナ公演のみという、これまでとは異なる形態で行われました。イギリス公演では、舞台セットはB2Bツアーのものに戻されましたが、セットリストは『ノー・セキュリティ』ツアーに近い内容となりました。これらのトラブルにもかかわらず、キース・リチャーズはツアー開始時からバンドの調子が良好であると発言しており、パフォーマンスは安定したまま終了しました。B2Bツアーは、ストーンズにとって初めて東欧での本格的なツアーでもありました。当初は、大規模な公演が成功するかどうか不安視されていましたが、チケットは完売し、アルバムも大ヒットするなど、大きな成功を収めました。
このアルバムの最大の特徴は、制作に複数のプロデューサーが関わった点です。ドン・ウォズを始めとした複数のプロデューサー陣が参加したことで、楽曲ごとに異なる雰囲気や完成度を示す作品となりました。ミック・ジャガーはライナーノーツで、マイルス・デイヴィスのプロデューサー起用方法になぞらえ、この制作スタイルを採用したと説明しています。そのため、楽曲の質は高いにも関わらず、アルバム全体の評価は必ずしも高くなく、アメリカや本国での売上は伸び悩みました。しかし、ワールドツアーの開催により、世界的な大ヒットを記録、特に南米や東欧での人気は非常に高く、その地域の音楽シーンに大きな影響を与えました。
さらに、『ブリッジズ・トゥ・バビロン』では、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの個性も際立っています。楽曲「フリップ・ザ・スイッチ」や「トゥー・タイト」では、アップライトベースを用いた伝統的なアプローチが見られ、リチャーズの音楽性を感じさせる部分となっています。また、ストーンズの歴史上初めて、そして2016年時点において唯一となる「1枚のアルバムにキース・リチャーズのリードボーカル曲が3曲収録」という試みも、本作の特徴と言えるでしょう。
参加ミュージシャンも非常に多く、メンバー4人以外に、お馴染みのダリル・ジョーンズ（ベース）、バナード・ファーラー（バックボーカル）といったサポートメンバーに加え、ビリー・プレストン（オルガン）、ワディ・ワクテル（ギター）、ミシェル・ンデゲオチェロ（ベース）、ジム・ケルトナー（パーカッション）、ウェイン・ショーター（サックス）といった豪華ゲストミュージシャンも参加しています。共同プロデューサーのドン・ウォズも演奏に参加しており、これまでにないほど多くのミュージシャンが関わった作品となりました。
2曲目の「エニバディ・シーン・マイ・ベイビー?」は、k.d.ラングとBen Minkの名がクレジットされています。これは、この曲のコーラス部分がk.d.ラングのヒット曲「Constant Craving」に似ていたため、訴訟を避けるための措置でした。この曲は1970年代に制作されながら長らくお蔵入りとなっていましたが、本作でようやく世に出ることとなりました。ミュージックビデオには、当時注目を集め始めたアンジェリーナ・ジョリーがストリッパー役で出演しており、話題となりました。日本ではアルバムの世界先行発売が行われ、この曲がリカットシングルとしてリリースされました。
アルバム制作に関するエピソードも興味深いものがあります。キース・リチャーズは10曲目「オールウェイズ・サファリング」について、ギター演奏のみ参加し、制作にはほとんど関わっていなかったと語っています。また、チャーリー・ワッツは自身の演奏パートを録音後、ほとんどトラックに興味を示さなかったものの、最終的にいくつかの注文を出したこともあったそうです。
『ブリッジズ・トゥ・バビロン』のリリースに続き、「The Rolling Stones Bridges to Babylon World Tour 1997/98」（B2Bツアー）が開催されました。1997年9月4日のトロント公演を皮切りに、翌年9月まで107公演にも及ぶ大規模なツアーとなりました。日本公演は1998年3月12日から21日までの6公演が行われました。このツアーは、バンドの歴史の中でも最も多くのトラブルに見舞われたツアーの一つでもありました。北米、アジア・オセアニア、中南米と順調に進んでいましたが、ヨーロッパツアー直前にキース・リチャーズが自宅で転落事故を起こし肋骨を骨折、約1ヶ月のツアー延期・変更を余儀なくされました。さらに、イギリスでの新しい課税制度の影響を受け、イギリス公演は翌1999年に延期されました。これらの穴埋めのために、1999年にはライヴアルバム『ノー・セキュリティ』を冠したツアーが開催されました。このツアーは、スタジアム公演ではなくアリーナ公演のみという、これまでとは異なる形態で行われました。イギリス公演では、舞台セットはB2Bツアーのものに戻されましたが、セットリストは『ノー・セキュリティ』ツアーに近い内容となりました。これらのトラブルにもかかわらず、キース・リチャーズはツアー開始時からバンドの調子が良好であると発言しており、パフォーマンスは安定したまま終了しました。B2Bツアーは、ストーンズにとって初めて東欧での本格的なツアーでもありました。当初は、大規模な公演が成功するかどうか不安視されていましたが、チケットは完売し、アルバムも大ヒットするなど、大きな成功を収めました。
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