ブリヤート語

ブリヤート語

ブリヤート語は、ロシア連邦のブリヤート共和国を中心に話されているモンゴル系の言語です。ブリヤート・モンゴル語とも呼ばれます。言語学的には独立した言語として扱われることが多いですが、モンゴル国のハルハ方言（標準モンゴル語）や、中国の内モンゴル自治区のチャハル方言、新疆ウイグル自治区のオイラート方言（オイラト語）などと共に、モンゴル語の方言の一つとして分類されることもあります。

特徴

ブリヤート語はキリル文字を使用しますが、ハルハ方言の表記とは若干異なります。また、ハルハ方言とは異なり、人称代名詞が接尾辞化して動詞に付くことで、動詞の人称変化が起こるという特徴があります。

歴史

1923年にブリヤート・モンゴル自治ソビエト社会主義共和国が成立すると、ソ連はモンゴルとの民族的な繋がりを弱める政策を採り、ブリヤート語を公用語として採用しました。しかし、1958年にはモンゴルとの結びつきを懸念し、共和国の名称から「モンゴル」が削除されると共に、ブリヤート語教育が制限されました。ペレストロイカの時代には復興運動が起こりましたが、教員不足や共和国住民の多数をロシア人が占める状況から、運動は下火となりました。現在、共和国政府は小学校入学時にロシア語かブリヤート語を選択できるとしていますが、ブリヤート語の衰退は続いています。田中克彦は、ブリヤート語における学術用語の不足が衰退の要因であると指摘しています。

下位分類

ブリヤート語は、地理的な分布や方言の違いによって、いくつかの下位分類に分けられます。

中国ブリヤート語 (bxu): 約65,000人
Bargu (bxu-bar)
Aga (bxu-aga)
Khori (bxu-kho)
モンゴルブリヤート語 (bxm): 約45,100人
Khori (bxm-kho)
Aga (bxm-aga)
ロシアブリヤート語 (bxr): 約219,000人
Barguzin (bxr-bar)
Oka (bxr-oka)
Ninzne-Udinsk (bxr-nin)
Bohaan (bxr-boh)
Alar (bxr-ala)
Bulagat (bxr-bul)
Tunka (bxr-tun)
Unga (bxr-ung)
Ekhirit (bxr-ekh)

文字

伝統的には、モンゴル文字を改良したブリヤート文字が使用されていましたが、20世紀前半以降、ロシア連邦のブリヤート共和国では、ロシア語のキリル文字にいくつかの文字を追加したものが使用されています。

関連項目

ブリヤート人
バルガ族
モンゴル
モンゴル人

外部リンク

ブリヤート共和国政府（ブリヤート語）
Ethnologue report for language code bxu （英語） - エスノローグ
Ethnologue report for language code bxm （英語） - エスノローグ
Ethnologue report for language code bxr （英語） - エスノローグ
LL-Map bxu
LL-Map bxm
LL-Map bxr

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