ブルガリア君主一覧

ブルガリアの歴代君主の歴史

ブルガリアの君主たちの歴史は、非常に多様で興味深いものです。この国の君主の称号は、初めは「ハン」（汗、Кан）から始まり、ボリス1世がキリスト教を受け入れたことにより「王」（クニャス）に変わりました。さらに、シメオン1世の時代には「皇帝」（ギリシャ語で「バシレウス」、後にスラヴ語で「ツァール」）という称号が使われるようになりました。近代のブルガリア王国においても、独立後の君主たちは「皇帝」として知られています。

伝説の君主たち

伝説的な君主としてよく知られているのはアッティラ（伝説では153年 - 453年）。実際には445年から453年まで東ゴート族を支配していた彼の存在は、ブルガリアの歴史にも色濃い影響を与えています。後にイルニクが続き、彼もまた伝説として引用されることが多いです。

第一次ブルガリア帝国（681年 - 1018年）

ブルガリア帝国の成立は681年に遡ります。アスパルフが東ローマ皇帝コンスタンティノス4世と講和を結び、自治権を獲得したのがその始まりです。以降、テルヴェルやコルメシイなど、多彩な君主が次々と登場しました。

君主としての称号は「カン」（汗）や「皇帝」に変遷し、クルムやボリス1世など、重要な君主たちがその名を刻みました。特にボリス1世はブルガリアをキリスト教化し、国の歴史において非常に重要な役割を果たしました。

その後、サムイル家による統治が続き、彼らの治世は971年の東ローマ帝国による支配が始まるまで続きました。

第二次ブルガリア帝国（1185年 - 1396年）

1185年にアセン王朝が興ることで、再び独立したブルガリアが誕生しました。この時期もイヴァン・アセンなど多くの君主が台頭し、国を治めました。カロヤンやイヴァン・アセン2世などが重要な役割を果たしています。

オスマン帝国の支配と近代の君主

1396年、ブルガリアはオスマン帝国に征服され、以降は約500年にわたってその支配下に置かれます。1878年にサン・ステファノ条約が締結され、ブルガリアは自治権を得ることになりました。

この時期、バッテンベルク家やサクスコブルクゴツキ家などの短命の君主が現れる中、フェルディナンド1世が1908年に国王として即位し、ブルガリア王国としての体制が確立されました。

戦後、ボリス3世の治世を経て、シメオン2世が1943年から1946年までブルガリアを治めましたが、1946年には共和制に移行し、君主制は完全に終焉を迎えました。シメオン2世はその後も政界に関与し、2001年から4年間、ブルガリアの首相として活躍しました。

参考文献

この記事の内容は、ロバート・ブラウニング著、金原保夫訳の『ビザンツ帝国とブルガリア』を参考にしています。

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