ブルース・マシューズ

ブルース・マシューズ：不屈のオフェンスラインマン

ブルース・マシューズ（Bruce Matthews、1961年8月8日 - ）は、ノースカロライナ州ローリー出身の元アメリカンフットボール選手です。1983年から2001年まで、ヒューストン・オイラーズ/テネシー・オイラーズ/テネシー・タイタンズでオフェンスラインマンとして活躍しました。その卓越した能力から、NFL史上最良のオフェンスラインマンの一人とされています。

輝かしい経歴

マシューズは、14年連続14回というNFL最多タイ記録となるプロボウル選出を果たしました。これは、彼の長きにわたる卓越したパフォーマンスを証明するものです。現役引退後は、NFLチームのアシスタントコーチとして、後進の指導にあたっています。

彼はアメリカンフットボール一家に生まれ育ちました。父のクレイ・マシューズ・シニアは、1950年代にサンフランシスコ・フォーティナイナーズでプレー。兄のクレイ・マシューズ・ジュニアもNFLで19年間プレーしました。甥のクレイ・マシューズ3世は、2009年のNFLドラフトでグリーンベイ・パッカーズから1巡目で指名されています。

高校時代はオフェンスラインマン、ディフェンスラインマンとしてプレーする傍ら、アマチュアレスリングでも才能を発揮し、地元リーグの最優秀選手に選ばれました。USCに進学後もオフェンスラインマンとして活躍し、4年次にはオールアメリカンに選出。さらに、カレッジフットボールの最優秀オフェンス/ディフェンスラインマンに贈られるモリス賞も獲得しました。大学時代には、後にオイラーズのヘッドコーチとなるジェフ・フィッシャーとチームメートでした。

1983年のNFLドラフトで、1巡目全体9位でヒューストン・オイラーズに入団。アール・キャンベルのリードブロッカーとしても活躍しました。マシューズは、レフトガード、ライトガード、センター、ライトタックル、レフトタックルと、オフェンスラインの5つ全てのポジションでプレーできるという、類まれなユーティリティ性を持っていました。ガードとセンターでプロボウルに選出された回数は、NFL最多記録タイの14回（ガードで9回、センターで5回）を誇ります。また、オールプロに9回、オールAFCに12回選出され、NFL1990年代オールディケイドチームのガードにも選ばれました。

オイラーズ（テネシー・オイラーズ、テネシー・タイタンズと名称を変更）一筋でプレーし、プレースキッカーやパンターを除いた最多記録となる296試合に出場。オフェンスラインマンとしては史上最長の19シーズンをプレーし、2001年に現役を引退しました。彼の背番号74番は、チームの永久欠番となっています。

2007年にはプロフットボール殿堂入りを果たしました。これは、チームがテネシーに移って以来初の選出でした。1983年のドラフト指名選手としては、ダン・マリーノ、エリック・ディッカーソン、ジョン・エルウェイ、ジム・ケリーに続く5人目の選出となりました。

2009年、ヒューストン・テキサンズのアシスタントコーチ（オフェンシブライン担当）としてNFLに復帰。2011年シーズンからは、古巣タイタンズでアシスタントコーチを務めています。

家族

5人の息子のうち3人が、高校、大学でアメリカンフットボールをプレーしています。2010年には、その1人であるケビン・マシューズが、ルーキーフリーエージェントとしてテネシー・タイタンズと契約しました。

ブルース・マシューズは、その卓越した才能と長年の献身により、NFL史に名を刻む偉大な選手として、今後も語り継がれることでしょう。

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