ブルーラークスパー

ブルーラークスパー：アメリカ競馬史に名を刻んだ名馬

ブルーラークスパーは、1920年代後半に活躍したアメリカ合衆国の競走馬にして、成功した種牡馬です。10勝という輝かしい戦績を収め、その中でも特にベルモントステークス制覇は高く評価されています。その功績から、1957年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たしました。

生い立ちと競走馬としてのキャリア

ブルーラークスパーの父はブラックサーヴァントという名の競走馬で、ブルーグラスステークス優勝やケンタッキーダービー2着などの実績を持つ名馬でした。ブラックサーヴァントは他にも多くのステークスウィナーを輩出しており、その血を受け継いだブルーラークスパーもまた、競走界で大きな成功を収める素質を持っていました。

馬名の由来は「青い飛燕草」です。オーナーブリーダーであったエドワード・ライリー・ブラッドリーは、所有馬に「B」を頭文字とする名前を付ける習慣があり、ブルーラークスパーもその伝統に則って名付けられました。

1928年、ベルモントパーク競馬場でデビュー。初戦こそ3着に敗れましたが、続く未勝利戦で初勝利を挙げ、勢いに乗りました。2歳シーズンにはジュヴェナイルステークス、ナショナルスタリオンステークス、サラトガスペシャルステークスと主要ステークス競走で3勝を挙げ、7戦4勝という好成績でシーズンを終えました。

3歳となったブルーラークスパーは、クラシック三冠路線に挑戦します。ケンタッキーダービーでは1番人気に推されましたが、不良馬場が影響し4着に敗れました。しかし、その後ベルモントステークスに照準を絞り、ウィザーズステークスを制して勢いをつけました。そして迎えたベルモントステークス。再び不良馬場の中、1番人気に応え見事優勝を果たしました。

その後もドワイヤーステークスで2着、アーリントンクラシックステークスで圧勝するなど活躍しましたが、屈腱炎を発症し休養を余儀なくされました。この年は6戦しかできませんでしたが、その活躍により、年度代表馬に選出される栄誉に輝きました。

4歳で復帰したブルーラークスパーは、スターズアンドストライプスハンデキャップをレコードタイムで制し、アーリントンカップでも勝利を収めました。その後、3戦2勝の成績で引退しました。獲得賞金は当時のアメリカ競馬史上で3位にランクインするほどの高額でした。

種牡馬としての成功

引退後は種牡馬として活躍しました。ブラッドリー所有のアイドルアワーストックファームで繋養され、数々のステークス勝ち馬を輩出しました。中でも、後にアメリカ競馬殿堂入りを果たしたマートルウッドはその代表格です。44頭のステークス勝ち馬、ブルードメアサイアーとしては114頭のステークス勝ち馬を輩出し、種牡馬としても大きな成功を収めました。

ブラッドリーの死後、キングランチ、そしてグリーンツリースタッドへと繋養場所を変えましたが、1947年に21歳でその生涯を終えました。

代表的な産駒

ブルーラークスパーの産駒の中でも特に有名なのは、アメリカ最優秀古牝馬、最優秀短距離馬に輝き、アメリカ競馬殿堂入りも果たしたマートルウッドです。他に、アメリカ最優秀障害競走牡馬に選ばれたオエディプス、アーリントンメイトロンハンデなどを制したブルーディライトなどが挙げられます。これら以外にも多くの優れた競走馬を輩出し、その血統は現代のアメリカ競馬にも影響を与え続けています。

受賞と評価

ブルーラークスパーは、競走馬としての活躍、そして種牡馬としての成功により、高い評価を受けました。1929年には年度代表馬、最優秀3歳牡馬に選ばれ、1930年には最優秀ハンデキャップ競走牡馬に選出されています。そして、1957年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、1999年には20世紀のアメリカ名馬100選にも選ばれました。これらの賞や選出は、彼がアメリカ競馬史においてどれほど重要な存在であったかを物語っています。

ブルーラークスパーの生涯は、競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬としての成功という、二つの大きな成功を収めた、まさに伝説的名馬の物語です。彼の功績は、これからもアメリカ競馬界に語り継がれていくでしょう。

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