ブルーディライト

ブルーディライト：競走馬から名繁殖牝馬へ

ブルーディライト(1938-1966)は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッドの競走馬です。華々しい競走成績を残したわけではありませんが、繁殖牝馬として類まれな才能を発揮し、アメリカ競馬史にその名を刻みました。

競走馬としてのブルーディライト

ケンタッキー州で生まれたブルーディライトは、恵まれた体格の持ち主でした。1940年のアメリカン・レースホース誌では、体高16ハンド(約162.56cm)を超える巨躯と長いストライドが注目されています。美しい青鹿毛の毛色に4つの白斑、そして傾斜した尻と端正な顔立ちも魅力でした。

2歳でデビューし、ジュリエットステークスやアーリントンワシントンラッシーステークスなど、早くもステークス競走を制覇するなど才能の片鱗を見せました。しかし、足首の故障により長期休養を余儀なくされ、その後も思うような成績を残せず、4歳シーズンにようやく本来の力を発揮するようになりました。アーリントンメイトロンハンデキャップ、シンデレラハンデキャップなど複数のステークス競走を制しましたが、5歳シーズンに屈腱炎を発症し、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

繁殖牝馬としての成功

競走馬引退後は繁殖牝馬として活躍を始めます。当初は生産者であるジョン・マーシュの牧場に繋養されましたが、その後、ヘンリー・ナイト氏を経て、カルメットファームに売却されました。

生涯で10頭の産駒をもうけ、そのうち5頭がステークス競走を制しました。特に牝馬の活躍が目覚ましく、その子孫は現代のサラブレッド界にも大きな影響を与えています。

最も有名な産駒は、第4子のリアルディライトです。リアルディライトは、母ブルーディライトとは異なり3歳シーズンで頭角を現し、ケンタッキーオークス、コーチングクラブアメリカンオークスを制覇、年度代表3歳牝馬に選ばれ、1987年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たしました。

また、第5子のバブリーもケンタッキーオークスを制し、母ブルーディライトから2年連続でケンタッキーオークスを制する快挙を成し遂げました。さらに第7子のプリンセスタリアもエイコーンステークスなどG1級競走を勝利しました。牡馬では、第2子のオールブルーや第8子のケンタッキープライドもそれぞれ活躍を見せました。

ブルーディライトの血統と子孫

ブルーディライトの直仔であるプリンセスタリアは、ケンタッキーダービーとプリークネスステークスの二冠馬フォワードパスを産みました。また、サンフォードステークス優勝馬ターントゥタリアもその産駒に含まれます。

リアルディライトも繁殖牝馬として成功し、ステークス勝ち馬を輩出しました。リアルディライトの子孫も繁殖牝馬として活躍し、ブルーディライトの血統は現在も世界各地で受け継がれています。

ブルーディライトの牝系からは、4世代後にアメリカ殿堂馬アリダー、5世代後にプリークネスステークス優勝馬コーデックス、6世代後にアッシュランドステークス優勝馬クリスマスキッドといった名馬が輩出されています。

ブルーディライトの評価

競走馬としては故障に悩まされ、その才能を十分に発揮できなかったブルーディライトですが、繁殖牝馬として遺した功績は計り知れません。アメリカ競馬の発展に大きく貢献した名繁殖牝馬として、その名を後世に語り継がれるべきでしょう。彼女から生まれた数々の名馬、そしてその子孫たちは、今日も世界の競馬界で輝きを放ち続けています。

ブルーディライトの主な勝鞍

1940年（2歳）
ジュリエットステークス
アーリントンワシントンラッシーステークス

1942年（4歳）
アーリントンメイトロンハンデキャップ
シンデレラハンデキャップ
クレオパトラハンデキャップ
プリンセスパットハンデキャップ

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