ブレンバイザー

ブレンバイザー

ブレンバイザー（Bullenbeisser）は、ドイツ原産の絶滅した犬種で、狩猟犬および闘牛犬として活躍しました。現在のボクサーやグレート・デーンの祖先にあたります。

歴史

ブレンバイザーは14世紀頃からドイツに存在した土着の狩猟犬です。当初は犬種として固定されておらず、名前もありませんでしたが、その力強さと体力から、イノシシなどの大型獣の狩猟に用いられるようになり、犬種として固定されていきました。

狩猟では、数頭のブレンバイザーでパックを構成し、獲物を探し出して飛びかかり、噛み留めることで動きを封じ、猟師が近づいて銃で仕留めるという方法がとられました。

ドイツで闘牛（牛いじめ）が流行すると、ブレンバイザーの狩猟方法が闘牛に最適だったため、需要が高まりました。これにより、狩猟以外の目的でブレンバイザーを飼育する人々が増え、「牡牛を噛む犬」という意味の「ブレンバイザー」という名が与えられました。

闘牛犬として改良されたブレンバイザーはブラバンダーと呼ばれ、オールド・イングリッシュ・[[ブルドッグ]]などと交配され、現在のボクサーへと姿を変えました。ブレンバイザー自体は19世紀初頭にボクサーと入れ替わるようにして絶滅しました。

特徴

ブレンバイザーは、筋肉質でがっしりとした体格をしていました。マズルはやや短く、先端は平らでした。首は太く短く、全身が筋肉の塊であったため、「ハムのような犬」と呼ばれることもありました。しかし、脚は比較的長く、猟犬としての名残を残していました。

耳は垂れ耳で、尾は飾り毛のある垂れ尾でしたが、断耳して立たせたり、断尾して短くしたりすることもありました。毛はスムースコートで、毛色はフォーン、グレー、ブリンドルなどがあり、マズルが黒い個体もいました。

顎の力は非常に強く、15世紀頃には、ブレンバイザーに噛まれて足を骨折し、出血多量で死亡した猟師がいたという逸話も残っています。

小型種：ブラバンダー

ブラバンダーは、ブレンバイザーを闘牛犬として改良した犬種で、ボクサーという愛称でも呼ばれていました。ブレンバイザーよりも小型化され、中型犬程度の大きさで、四肢も短く、マズルも短くなっていました。ブレンバイザーよりも俊足であったと言われていますが、確かな証拠はありません。顎の力はブレンバイザーの方が強かったようです。

参考資料

『デズモンド・モリスの犬種事典』（誠文堂新光社）デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目

犬の品種一覧
* ブルドッグ

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