ブレーメン福音主義教会

ブレーメン福音主義教会（BEK）

ブレーメン福音主義教会（Bremische Evangelische Kirche, BEK）は、ドイツ福音主義教会（EKD）に加盟する20の福音主義州教会の一つです。他の州教会と同様に、公法上の社団として存在し、ブレーメン都市州を構成するブレーメンとブレーマーハーフェンの教会共同体が自由意志に基づいて集まった州教会です。その組織と運営において、ドイツ国内の他の州教会と比較して、ブレーメン福音主義教会に属する教会共同体の独立性は際立っています。州教会本部はブレーメンに置かれています。

概要

ブレーメン福音主義教会は、176,786人の教会員（全住民における教会員比率29.9%）と61の教会共同体を擁し、2つの社会奉仕活動施設も有しています。ルター派と改革派教会による合同教会であり、福音主義合同教会（UEK）に加盟しています。また、改革派連盟（ドイツ国内の改革派教会組織）の設立時からのメンバーでもあります。

管轄地域

ブレーメン福音主義教会の管轄地域はブレーメン市です。管轄外ですが、ブレーマーハーフェンにあるシュミット市長記念教会はブレーメン福音主義教会に属しています。行政上はブレーメン州に属するブレーマーハーフェンの他の教会共同体は、ハノーファー福音ルター派州教会、あるいはニーダーザクセン州レーアに本部を置く福音主義改革派教会に属しています。ブレーメン＝ノルト（ブレーメン北管理区）にあるレクム教会共同体も福音主義改革派教会に属しています。

特徴

教会員の自由意志: 1860年の市による通達により、ブレーメンの福音主義教会に属する市民は、居住地に関わらず地域の教会共同体を自由に選択できるようになりました。これにより、誕生や幼児洗礼時に所属教会が決まる形態から、個人の自由意志で教会共同体を決めることになりました。
独自の組織構造: ブレーメン福音主義教会は、公法人上の社団として独立した法人である多数の教会共同体から構成されています。各教会共同体は、独自の教会共同体規則、信仰告白、礼拝式文を制定することができ、全体教会と異なった規則や職務であっても容認されます。ブレーメンにあるすべての福音主義教会共同体は、独立した教会としての地位を認められています。
ルター派教会連盟: 厳格なルター派信仰を保持する17の教会共同体がブレーメン福音主義教会にあり、ルター派教会連盟として結びついています。これらの教会共同体は連盟規約を制定し、ハノーファー福音ルター派州教会の共同体規則も受け入れ信仰を告白しています。
信徒議長: 州教会のトップである運営委員会議長が牧師ではなく信徒であることも特徴です。教会のトップは常に信徒であり、牧師のトップは運営委員会書記として神学関連問題をサポートします。

歴史

宗教改革: 1522年11月9日、ブレーメンの聖アンスガリ教会礼拝堂で、ハインリヒ・フォン・ズトフェンによる最初の宗教改革的説教が行われました。以後、ブレーメンは福音主義側の都市として存在し続けました。
神学論争: 1561年、ブレーメン大聖堂の説教者アルベルト・ハルデンベルクが追放されるなど、ルター派内で正統派とメランヒトンの支持者たちとの間で神学論争が勃発しました。
改革派の影響: 1581年、改革派教会神学者クリストフ・ペツェルによって、ブレーメンはジュネーブ宗教改革に結びつけられました。1595年には、ドイツ改革派教会様式による新しい教会規則（ブレーメン・一致信条）を制定しました。
ルター派の再興: 1638年、ブレーメン大聖堂はデンマーク王フレデリク3世によってルター派の信仰告白を再び導入しました。1803年の帝国代表者会議主要決議により、ブレーメン大聖堂はブレーメン市の管轄下に入りましたが、大聖堂共同体のルター派信仰は変わることはありませんでした。
自由主義神学の影響: 1845年以降、改革派信仰が次第に弱まり、一部の教会共同体ではルター派牧師が招聘されました。自由主義神学の影響を受け、ルター派でも改革派教会でもない、新たな合同派福音主義教会共同体も設立されました。
ナチス時代: 1934年、ドイツ的キリスト者によって支持されたルートヴィヒ・ミューラー全国監督は、ブレーメン大聖堂牧師のハインツ・ヴァイデマンをブレーメン州教会の監督として任命しました。
現代: ブレーメン福音主義教会は、今日までドイツ改革派連盟に代表を派遣しています。また、地域の公立学校における宗教の授業に関与できるよう働きかけています。

組織と運営

ブレーメン福音主義教会は、独自の組織構造を持っています。他の州教会のような監督は存在せず、最高議決機関は州教会総会ではなくキルヘンタークと呼ばれます。運営委員会においても、議長、副議長、会計担当は信徒が就任しており、信徒である議長が州教会を代表します。牧師はあくまで教会共同体の牧会者であり、運営委員会の書記として、ブレーメン州教会の副代表として存在します。

同性カップルへの祝福

2014年11月、ブレーメン福音主義教会は教会運営規則を改定し、同性婚への祝福を牧師の職務として記載することを決定しました。ただし、各教会共同体はこの問題に関して独自の判断を下すことが可能です。2017年10月1日に同性婚法が施行されたことを受け、同性愛者カップルにはパートナーシップ制度によるものではなく、将来を見通した結婚への祝福が行われることになりました。

礼拝式文

ブレーメン福音主義教会は、ハノーファー福音ルター派州教会など、隣接するニーダーザクセン州のルター派州教会と共に讃美歌集を共同編集・発行しています。讃美歌集には主に2つの基本礼拝式文が収録されており、ルター派と改革派の伝統が反映されています。

参考文献

Reinhard Jung (Hrsg.): „Wir sind in die Irre gegangen“. Evangelische Kirche und Politik in Bremen 1933–45. (protexte Nr. 6). Bremen 1984
Evangelisches Gesangbuch – Ausgabe für die Evangelisch-Lutherischen Kirchen in Niedersachsen und für die Bremische Evangelische Kirche, Hannover/Göttingen, eingeführt im Advent 1994

外部リンク

ブレーメン福音主義教会公式サイト（ドイツ語）

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