ハノーファー福音ルター派州教会

ハノーファー福音ルター派州教会（ドイツ語: Evangelisch-lutherische Landeskirche Hannovers）は、ドイツ福音主義教会 (EKD) に加盟する20の福音主義州教会の一つです。公法上の社団であり、本部はニーダーザクセン州のハノーファーに置かれています。2020年12月時点で242万6686人の教会員を擁し、ドイツ最大の州教会となっています。

概要

ドイツ福音主義教会 (EKD) に属するルター派教会
ドイツ合同福音ルター派教会 (VELKD) の加盟州教会
ルター派世界連盟 (LWB) と世界教会協議会 (WCC) にも加盟
ニーダーザクセン州福音主義教会連合にも加盟
州教会監督はハノーファーのマルクト教会で説教

管轄地域

ハノーファー福音ルター派州教会の管轄地域は、かつてのハノーファー王国の主要地域から成立しています。1866年の普墺戦争でプロイセン王国に併合され、プロイセンのハノーファー州として存続しました。1946年にニーダーザクセン州が発足し、以前ハノーファー州と呼ばれた地域が含まれました。

境界線の変更

ブラウンシュヴァイク自由州、ハンブルク、ヘッセン人民州、プロイセン王国ザクセン州、ヴァルデック侯国との境界線変更が、ハノーファー州教会管轄地域に影響を与えました。1934年にヴァルデック＝ピルモント自由州とシャウムブルク郡のルター派教会がこの州教会に属することになり、1942年にはザルツギッターがブラウンシュヴァイク自由州に属することになりました。

現在の管轄地域

現在、ハノーファー福音ルター派州教会の管轄地域はニーダーザクセン州の大部分を占めていますが、以下の地域は管轄外です。

オルデンブルク自由州
ブラウンシュヴァイク自由州 (テディングハウゼンは例外)
シャウムブルク＝リッペ自由国

また、ニーダーザクセン州外でも、ブレーメン州のブレーマーハーフェン、ハンブルク市内のノイヴェルク島、ハールブルク区の一部地域、ヘッセン州カッセル郡の保養地ニーステが管轄地域に含まれます。

組織

ハノーファー州教会に属する教会共同体は公法上の社団であり、信徒役員と牧師による教会役員会を設置しています。複数の教会共同体によって「教会地区」が形成され、そのトップは地区長です。複数の教会地区が集まって教会管区を形成し、そのトップは地域監督と呼ばれます。

2007年 7月1日に教会管区は8つから6つに減りました。その際、カレンベルク－ホーヤ教会管区が廃止され、ヒルデスハイム、ゲッチンゲン教会管区が統合されました。

教会共同体

48の教会地区には1248の教会共同体があります。20世紀に入って都市部の教会共同体が分割されましたが、1990年以降、再び統合が進んでいます。

歴史

ハノーファー州教会の歴史は、ハノーファー王国の消長と深く結びついています。1692年にハノーファー選帝侯領が成立し、1815年のウィーン会議でハノーファー王国に昇格しました。王国内でルター派と改革派教会による領邦教会が成立し、領邦教会の首長はハノーファー王が務めました。

プロイセンによる併合

1866年にハノーファー王国がプロイセン王国に併合された後も、領邦教会は独立自治を守り、古プロイセン合同福音主義教会には組み込まれませんでした。1918年のドイツ革命後、教会統治が終焉し、1922年に新たな教憲が制定されました。

20世紀以降

第2次世界大戦後、ハノーファー福音ルター派州教会はドイツ福音主義教会 (EKD) とドイツ合同福音ルター派教会 (VELKD) に設立メンバーとして加わりました。1971年にはニーダーザクセン州福音主義教会連合を結成しました。

教会員数の変遷

他の州教会と同様に、ハノーファー州教会も教会員減少が続いています。2002年には314万2685人だった教会員数は、2020年には242万6686人に減少しました。

教会運営

ハノーファー福音ルター派州教会の運営・管理は、州教会監督、州教会総会、州教会総会運営委員会、州教会宗務局、地域監督協議会によって行われています。

霊的指導

ハノーファー福音ルター派州教会のトップは州教会監督であり、州教会総会によって選出されます。州教会監督は州教会を公的に代表し、教会的、政治的、組織的責任を担います。

神学的姿勢

[ドイツ]]福音主義教会]に加盟している他の州教会と同様に、[[ハノーファー州教会において、女性も牧師に任職されます。また、魔女狩りの時代に迫害された人々の名誉回復を行い、同性愛者カップルの結婚を祝福することが可能です。

礼拝式文

ハノーファー福音ルター派州教会は、ブラウンシュヴァイク福音ルター派州教会、オルデンブルク福音ルター派教会と共に、ブレーメン福音主義教会と讃美歌集を共同編集し発行しています。讃美歌集には主に2つの基本礼拝式文が収録されています。

第1基本式文: 聖餐式を含む伝統的なミサ様式
第2基本式文: 説教礼拝に聖餐式を加えた形式

礼拝式文の選択は個別の教会共同体に任されています。

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