ブロゴスフィア

ブロゴスフィアとは



ブロゴスフィア（Blogosphere）は、ブログ（ウェブログ）全体とそのつながりを指す言葉です。無数のブログが相互にリンクし合い、まるで一つの巨大な共同体、または社会的なネットワークのように存在しているという考え方に基づいています。

ブログが作る集合体



ブログは、個人がインターネット上で気軽に意見や考えを発信できるツールとして登場しました。RSSフィードによる更新情報の配信、ハイパーリンクによる他のページへの誘導、トラックバックによる相互リンクなど、ブログ同士の連携を容易にする機能が備わっています。

読者は、ブログを介して様々な情報に触れることができます。リンクやトラックバックを辿ることで、複数のブログを巡り、多様な意見や議論に触れることが可能です。この過程で、読者はブログが形成する共同体や言論空間の存在を意識するようになります。

また、特定のテーマに関心のあるブログをまとめたアンテナサイトや、ニュースやブログ記事を共有するソーシャルブックマークなども、読者をブログ同士のつながりへと誘導します。さらに、ブログの検索サイトやランキングサイトも、ブログ間の交流や話題形成を促進する上で重要な役割を果たしています。

これらのリンクやサイトは、情報がどのようにブロゴスフィアを拡散していくのかを研究する上で、貴重なデータを提供しています。多くのブログは、他のブログよりも早く情報を認知させ、注目を集めようとするため、人気のある話題にはトラックバックが集中し、情報が一気に拡散していく傾向があります。

ブロゴスフィアの誕生



1990年代後半からブログという形式が登場し、個人が手軽に情報発信できる環境が整いました。1999年には、LiveJournalやblogger.comといったブログサービスが登場し、ブログはさらに一般的なものとなりました。

「ウェブログ」という言葉は、1997年頃に日記サイトの中から生まれ、後に「ブログ」と略されるようになりました。「ブロゴスフィア」という言葉の初出は1999年ですが、一般的に使われるようになったのは、2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降です。アメリカの戦争やテロに関する情報がブログを通じて拡散されるにつれて、ブロゴスフィアという概念が注目されるようになりました。

特に、DailyPundit.comの運営者であるWilliam Quickは、サイバースペースの言論空間を「ブロゴスフィア」と呼ぶことを提案し、タカ派のウォーブログの間で広く受け入れられました。彼はこの言葉を、言語や論理を意味するギリシャ語の「ロゴス」を基にした造語であると説明しました。

ブロゴスフィアの現在と将来



ブロゴスフィアは、「ロゴスフィア」や「ノウアスフィア」といった概念と関連付けられることもあります。これらの概念は、言語や知識が形成する空間を指し、ブロゴスフィアもその一つとして捉えることができます。

2007年頃には、ブロゴスフィアの影響力はまだ疑問視されることもありましたが、現在では、BBCやNPRなどの主要メディアも世論を語る際にブログの記事に言及するなど、社会的な影響力は増大しています。

学術論文においても、反グローバリゼーションや選挙疲れといった現象を説明する際に、ブロゴスフィアにおける議論が証拠として引用されることも増えています。

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