ブーメランク

ブーメランク：ロシア連邦軍の新装輪式装甲車両

ブーメランク（ロシア語: Уникфированная боевая платформа шифра «Бумеранг」）は、ロシア連邦軍における最新の装輪式装甲車両プラットフォームです。元々「VPK-7829」として知られていたこの車両は、アルザマス機械工場によって開発され、2015年に初めて一般に公開されました。このプラットフォームは、兵士や装備を戦闘地域に迅速に展開するために設計されており、様々なバリエーションが存在します。

概要

ブーメランクは、8輪駆動の装甲車であり、ロシアの戦略的要求に応えるために設計されています。特に、無人砲塔を搭載した歩兵戦闘車（IFV）型のK-17および、重機関銃を備えた装甲兵員輸送車（APC）型のK-16が用意されています。これらの車両は、ロシア軍の老朽化したBTRシリーズの更新の一環として、2,000両の導入を計画しているとのことです。

この新たな装甲車両は、従来型と比較して性能とコスト効率に優れており、共通のコンポーネントを利用することで生産や保守の負担を軽減しています。また、極寒の気候条件下でも運用可能な設計が施されています。

設計の特徴

ブーメランクは、新世代の装甲車両として、従来のソ連およびロシアのデザインとは明確に異なります。この車両はIED（即席爆発装置）への対策としてV字型の車体を採用し、側面の危険から乗員を守る設計になっています。APC型車両は3名の乗員とともに、最大9名の兵士を輸送可能です。また、後部ハッチからの迅速な乗降を実現しています。

ウォータージェット推進機能を持ち、水上航行も可能です。さらに、核・生物・化学（NBC）防護機能や自動消火装置を装備し、過酷な状況下でも高い生存性を維持します。

主要な派生型

ブーメランクの主な派生型には、以下のものがあります：

• - K-17: 歩兵戦闘車型。
• - K-16: 装甲兵員輸送車型。

特にK-17は、最新の無人砲塔システムであるブーメランク-BM（DUBM-30 エポック）を搭載しており、これにより高い火力と戦場での生存性が向上しています。

特徴的な火器システム

ブーメランク-BMは、2A42 30mm機関砲と7.62mm同軸機関銃を備え、さらに4発の対戦車ミサイルも搭載可能です。このミサイルは、同時に二つの目標に対して発射することができ、敵の防護システムへの対抗が可能です。また、電子装備も強化されており、自動目標認識や昼夜を問わない運用が期待されています。交戦距離は最大5,500mに達し、運用の柔軟性を高めています。

結論

ブーメランクは、ロシア連邦軍の新たな装輪式装甲車両として、多様な任務に対応可能な設計が施されています。今後のロシア軍の装甲車両の進化とともに、国際的な軍事戦略においても重要な役割を果たすことでしょう。

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