プラット・アンド・ホイットニー PW4000とは？意味をやさしく解説

PW4000エンジン

PW4000は、プラット・アンド・ホイットニーが開発した高バイパスターボファンエンジンで、主に旅客機に使用されます。このエンジンは、前作のJT9Dから大幅に改良され、効率的な性能を実現しています。PW4000はファンの直径に応じて大きく3つのシリーズに分類されており、広範な航空機に対応しています。また、ETOPS 180に認定されており、これはこのエンジン1基でも最大180分間の飛行が可能であることを示しています。

対応機種

PW4000エンジンは、以下の航空機に搭載されています：

インシデントの歴史

PW4000搭載機においては、複数の重大なインシデントが発生しています。たとえば、2016年5月には、大韓航空の747-300型機で離陸時に左エンジンが出火する事故がありました。この事故では、エンジンの高圧タービンディスクが破断し、燃料漏れが引火する事態になりました。運輸安全委員会の調査では、事故の原因が明らかとなり、エンジンの部品に関する問題が指摘されました。

さらに、2018年2月に発生したユナイテッド航空の777-200型機では、右エンジンのファンブレードが破損し、エンジンから多くの部品が分離される事故が発生しました。この時、NTSBは不適切なファンブレードの検査が主な要因であると結論付けました。

2020年12月、日本航空の777-200型機でも同様に左エンジンが故障し、大きな音とともに異常が発生しました。この結果、機体は緊急着陸を余儀なくされ、滑走路が一時閉鎖される事態に至りました。調査の結果、ファンブレードの疲労破壊が確認され、さらなる調査が予定されています。

2021年には、デンバー発ホノルル行きのユナイテッド航空便で右エンジンに同様の問題が発生し、またもや軽度の損傷が見られました。同じように、過去の事故との類似点が指摘され、日本の国土交通省と米国連邦航空局は、これに伴い運航停止命令と厳格な検査を実施しました。

対策と改良

2022年、FAAは耐空性改善通報を更新し、エンジンの逆推力装置に破片シールドを設けるなどの改修を要求しました。これにより、PW4000エンジンの搭載機は、商業運航が再開される条件を満たす必要がありました。

また、同年には、PW4000エンジンを搭載したボーイング747-412BCFでタービンブレードの落下により、地上の人員に軽傷を負わせる事故も発生していますが、これはPW4000-112系統ではなく、派生型のPW4056エンジンによるものでした。

結論

PW4000エンジンは、多くの航空機で使用されている信頼性のあるエンジンですが、いくつかの重大なインシデントがあったため、メーカーや航空当局は引き続き安全対策の強化を進めています。今後も航空業界ではPW4000エンジンに関連する情報が注視されることでしょう。

もう一度検索