プラーチーンブリー県

タイの中部に位置するプラーチーンブリー県（タイ語: จังหวัดปราจีนบุรี、英語: Prachinburi Province）は、東側でサケーオ県と、南側でチャチューンサオ県と、西側でナコーンナーヨック県と、そして北側でナコーンラーチャシーマー県と隣接しています。

歴史

この地は古くから人の営みがあり、クメール文化の影響を受けて栄えてきました。県内にはクメール時代の遺跡が今も点在しています。比較的最近の歴史としては、1993年に旧プラーチーンブリー県から行政区画の再編が行われました。具体的には、ワンナムイェン郡やサケーオ郡を中心とする地域が分離し、新たにサケーオ県として独立しました。これにより、現在のプラーチーンブリー県の形が定められました。

地理

プラーチーンブリー県の地形は、大きく二つの異なる地域に分けられます。一つは、県の中央を流れるプラーチーンブリー川を中心とする低地地域です。この地域は比較的平坦で、肥沃な土地が広がっています。もう一つは、県の北部や西部に連なる高地や山岳地域です。この山岳地帯には、タイでも有数の自然保護区である有名なカオヤイ国立公園の一部が含まれており、豊かな森林や野生生物が生息しています。自然が豊富な一方で、平坦な地域には工業団地が整備されており、国内外の多くの企業が進出しています。特に、日本の企業によるHDD（ハードディスクドライブ）製造工場など、エレクトロニクス関連の製造業が集積しているのが特徴です。

県のシンボル

プラーチーンブリー県には、その歴史や自然に由来する象徴が定められています。

県章: 県章には、ワット・シーマハーポーという寺院に植えられているとされる、樹齢約2000年の聖なるボーディーの木（菩提樹）が描かれています。この木は、この地の歴史の深さや精神的な拠り所を象徴しています。
県木: 県木もまた、県章と同じく菩提樹（Bodhi Tree, Ficus religiosa）が指定されています。
県花: 県花はコルクノウゼン（Cork Tree, Millingtonia hortensis*）です。

行政区画

プラーチーンブリー県は、地方行政の単位として7つの郡（アンプー）に区分されています。さらに、これらの郡は細かく65の町（タムボン）に分けられ、それぞれの町には合計で658の村（ムーバーン）があります。かつてプラーチーンブリー県の一部であった地域が1993年にサケーオ県として分離した影響で、郡の公式な連番リストには欠番が存在します。具体的には、かつて存在し、現在はサケーオ県に属している郡の番号である4番、5番、10番、11番、12番が、現在のプラーチーンブリー県の郡リストからは欠番となっています。

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