プリズミアン

プリズミアン：世界を繋ぐケーブルのリーディングカンパニー

プリズミアン社は、イタリア・ミラノに本社を置く、電線と通信ケーブルの世界的メーカーです。50カ国以上に拠点を展開し、その売上規模は世界最大級を誇ります。イタリア証券取引所にも上場しており(BIT: PRY)、エネルギー、通信、産業といった多様な分野に事業を拡大しています。

幅広い顧客基盤とグローバルな事業展開

プリズミアン社の顧客は、世界中に広がっています。売上高の内訳を見ると、その多様性がわかります。エネルギー業界（シェル、シュルンベルジェなど）とインフラ業界（ナショナル・グリッド、イベルドローラなど）への供給が全体の48%を占めています。通信業界（AT&T、ベライゾン・コミュニケーションズなど）向けには、光ファイバーケーブルを中心とした製品を提供しており、これが14%の売上高に貢献しています。さらに、シーメンス、エアバス、ドイツ鉄道といった自動車、鉄道、航空宇宙産業などへの供給も盛んで、20%を占めます。その他、オフショアプロジェクトなどへの供給も約15%と重要な割合を占めています。

地域別の売上構成を見ると、欧州・中東・アフリカが54%、北米が29%、アジア太平洋地域が8%となっています。欧州を中心とした事業基盤を持ちながらも、北米市場にも積極的に進出し、グローバルな事業展開を推進しています。

歴史と成長：買収を通じた拡大

プリズミアン社の歴史は、1879年創業のピレリ社のケーブル部門に遡ります。2005年、ゴールドマンサックスがピレリのケーブルシステム部門を買収し、プリズミアン社が設立されました。その後、2007年には株式公開を果たし、独立企業としての道を歩み始めます。

設立後も積極的な企業買収を展開し、規模を拡大してきました。2008年にはドイツのFacab-Lynen社、2011年にはオランダのドラッカ社（フィリップスの子会社であった歴史を持つ企業）を買収。さらに2018年には、アメリカのゼネラル・ケーブル社を買収するなど、買収戦略によって、技術力と市場シェアを大きく拡大することに成功しています。ドラッカ社とゼネラル・ケーブル社は、現在もプリズミアン社の傘下企業として事業を継続しています。

未来への展望

プリズミアン社は、世界的なインフラ整備の進展やデジタル化の加速といった市場トレンドを追い風に、今後も成長を続けることが期待されています。エネルギー転換や5Gなどの次世代通信網の拡大、そして持続可能な社会への貢献など、グローバルな課題解決に貢献する製品・技術開発にも積極的に取り組んでいる点が注目されています。 世界を繋ぐケーブルのリーディングカンパニーとして、プリズミアン社の今後の動向に注目が集まっています。

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