プリンス・ウィリアム (護衛空母)

プリンス・ウィリアム (USS Prince William, AVG/ACV/CVE-31)

プリンス・ウィリアムは、アメリカ海軍の護衛空母であり、ボーグ級の一隻として知られています。この艦はアラスカ州南岸に位置するプリンス・ウィリアム湾に因んで名づけられました。艦の詳細な歴史は、1942年に遡ります。

艦歴の始まり

プリンス・ウィリアムは1942年5月18日にワシントン州タコマのシアトル・タコマ造船所で起工されました。当初はAVG-31（航空機搭載護衛艦）として設計されていましたが、1942年8月20日にACV-31（補助空母）に艦種変更されました。そして、同年の8月23日にはポール・フォーリー夫人の進水式を経て、1943年4月9日にハーバート・E・リーガン艦長の指揮のもと正式に就役しました。

太平洋艦隊での任務

船が就役した後、プリンス・ウィリアムは西海岸での整調活動を終えた後、太平洋艦隊に加わります。主要な任務は、前線に航空機や兵員を輸送することでした。1943年7月15日には、艦種がCVE-31（護衛空母）に再変更され、1944年まで西海岸とニューカレドニア、カントン島、サモア、エスピリトゥサントの間で活発に活動します。特に多くの重要な輸送業務を行いました。

訓練と帰還

その後、プリンス・ウィリアムはサンディエゴに戻り、パイロット認証訓練に従事しました。1944年の4月にはふたたび輸送任務に従事し、5月7日にオーストラリアのタウンズヴィルに到着。その後、サンディエゴに戻ると、大西洋艦隊に転属されます。

6月21日、フロリダ州ポート・エバーグレーズで貨物と航空機を下ろした後、ノーフォークでLORANを設置。その後、チェサピーク湾で再びパイロット認証訓練を行い、7月24日にはカサブランカに航空機と兵員を輸送しました。続いて、損傷した航空機とエンジンを積み込み、9月26日にノーフォークに帰還します。

訓練の再開と終戦後の任務

1945年にはナラガンセット湾での訓練が再開され、その後キー・ウェストへ移動しさらに訓練が行われます。1945年6月2日にはパナマ運河を通過し、8日に太平洋艦隊に再合流。終戦までの間、西海岸とハワイ間で航空機や兵員の輸送を続けました。また戦後の時期には、マジック・カーペット作戦に参加し、7ヶ月にわたり帰還兵や機材を輸送しました。

退役とその後

プリンス・ウィリアムの最終任務は1946年3月21日にサンディエゴで終了し、再度大西洋艦隊に転属されました。4月8日にはパナマ運河を通過し、4月23日にはノーフォークに到着。その後、フィラデルフィアへ移動し、1946年8月29日に退役しました。

1955年6月12日にはCVHE-31（護衛ヘリ空母）に艦種が変更され、1959年3月1日まで大西洋予備役艦隊に保管されていました。最終的にプリンス・ウィリアムは1961年3月に日本でスクラップとして売却されることになりました。これにより、アメリカ海軍におけるプリンス・ウィリアムの歴史が幕を閉じたのです。

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