プルシアンブルーの肖像 (安全地帯の曲)

プルシアンブルーの肖像

「プルシアンブルーの肖像」は、日本のロックバンド安全地帯が1986年に発表したシングルです。これは11枚目のシングルとして、Kitty Recordsからリリースされました。前作「碧い瞳のエリス」から約9ヶ月ぶりのリリースであり、作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二が手がけており、編曲は安全地帯自体と星勝が担当しています。

本曲は、玉置浩二が主演する映画『プルシアンブルーの肖像』の主題歌として用いられ、また大王製紙の「エリス もうはなさない篇」のコマーシャルソングにも起用されました。オリコンシングルチャートでは最高2位を記録し、多くのリスナーに支持されました。

音楽性と歌詞の背景

「プルシアンブルーの肖像」は、安全地帯の初期の楽曲群において、特に注目される作品です。実は、この曲の原型は「ワインレッドの心」よりも以前に制作されていましたが、アマチュア時代にはあまり売れなかったため、玉置は試行錯誤を重ねました。その結果、「ワインレッドの心」や「恋の予感」、「碧い瞳のエリス」といった名曲に繋がっていったのです。

本作の音楽的特徴は、ハードなサウンドと心に響くメロディが印象的であり、松井五郎によるシンプルな言葉を用いたサビが際立っています。歌詞は情熱的に表現されており、玉置の力強くも繊細なボーカルが、リスナーに深く響くと評されています。

制作のエピソード

作詞を手掛けた松井五郎と玉置浩二は、曲制作時にしばらく無沙汰だったものの、あるテレビ番組の取材で成田空港で再会します。その後、松井は玉置とスタジオで再会し、デモテープを聴く機会を得ます。玉置のデモテープに触れた松井は、その旋律が「悲しく激しい」と感じると同時に、視覚的なイメージも重なり、独特の歌詞を創作しました。

松井はまた、B面曲「チャイナ・ドレスでおいで」に関しても触れており、離婚を経た玉置の心情を遊び心を持って表現し、男性のユーモアを交えた歌詞を制作しました。

リリースとプロモーション

このシングルは、1986年7月1日に7インチレコードとしてリリースされました。映画『プルシアンブルーの肖像』の主題歌としての地位を持つだけでなく、映画公開と同時にニッポン放送の特別番組やフジテレビのバラエティ番組にも出演し、積極的にプロモーション活動を展開しました。また、シングル盤のジャケットは映画のポスタービジュアルを基にしています。

チャート成績

オリコンシングルチャートでは、最高2位を記録し、売り上げは23.8万枚に達しました。また、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では、放送初登場時に第3位にランクインし、その後も長い間ランキングに留まりました。

メディアでの使用とカバー

本作は多くのアーティストによってカバーされています。2013年には及川光博とTHE FANTASTIXによってカバーされてアルバムに収録され、また蔡楓華や鄭梓浩も広東語バージョンを制作しており、国際的にも評価されています。これらのカバーは、本曲の普遍的な魅力を証明しています。

「プルシアンブルーの肖像」は安全地帯の魅力を感じさせる名曲であり、その音楽的価値と感情的な背景は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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