碧い瞳のエリス

碧い瞳のエリス

「碧い瞳のエリス」は、1985年10月1日にリリースされた日本のロックバンド、安全地帯の楽曲です。このシングルは、彼らの10枚目のリリースであり、前作「悲しみにさよなら」から約3か月後に発表されました。楽曲の作詞は松井五郎が担当し、作曲はバンドリーダーの玉置浩二、そして編曲は安全地帯と星勝が行いました。

楽曲の表題は、大王製紙の「エリス キングコング篇」のCMソングとしても知られており、玉置が初めてCMに登場した作品です。CMではピンク色のキングコングが人間に変身するストーリーが描かれ、キャッチコピーとして「エリスは、安全地帯。」が用いられました。この曲はオリコンのシングルチャートで最高2位を記録し、TBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』では5週連続で1位を獲得するなど、非常に高い人気を誇りました。

音楽性と歌詞

「碧い瞳のエリス」は、1983年にヒットした「ワインレッドの心」の前に制作した楽曲の一つです。この曲はバンドがアマチュア時代に完成させた楽曲の中で、生かされることなく埋もれていました。しかし、玉置浩二はその後、次々とヒットを生む楽曲を生み出し、その流れの中で「碧い瞳のエリス」も重要な一曲となったのです。

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、この楽曲に「メランコリックな響き」があり、聴く人を不明瞭で空虚な心の世界に誘うような感覚を与えると評されています。そして、シンプルながら詩的な歌詞と玉置の柔らかな声が融合し、儚い美しさを抱くとされています。また、楽器の演奏にも独特さがあり、ギターを担当する矢萩渉がベース、ベースの六土開正がピアノを演奏しており、アレンジに一味の深さを加えています。

リリースとチャート成績

このシングルは1985年10月1日にKitty Recordsからリリースされ、同年のCMには玉置自身が出演しました。男性が生理用品のCMに出演することは珍しく、そのことが彼の人気を浮き彫りにしています。1988年12月には8センチCDとしても再発されました。

オリコンシングルチャートでは、最高位第2位を記録し、登場週数は18週に達しました。売り上げは38.8万枚で、安全地帯のシングル売上ランキングにおいて4位を占めています。『ザ・ベストテン』では、1985年10月17日から連続して10週ランクインし、さらに5週連続で1位を獲得しました。この記録により、安全地帯は23週間連続で同番組に名前を連ねることになりました。5週連続1位を獲得した際の放送では、幻想的なセットに数百本のろうそくで飾られた演出が話題となりました。

この楽曲の影響力は大きく、1985年の「日本有線大賞」では有線音楽賞も受賞しています。

カバーとメディアでの使用

「碧い瞳のエリス」は多くのアーティストによってカバーされており、金澤豊が2020年にリリースしたソロ・デビューシングルや、タカハシシノブが2011年にシングルとして発表しています。また、Nimoや森川美穂など様々なアーティストがカバーアルバムに収録しており、さらに国際的にも広がりを見せ、中国語バージョンもアルバムに収録されるなど、多様な解釈で愛されています。

「碧い瞳のエリス」は永遠の名曲として記憶される楽曲であり、安全地帯の代表的な作品の一つであることは間違いありません。今後もその魅力は多くの人々に響き続けることでしょう。

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