プロイセン議会

プロイセン議会：歴史的変遷と終焉

プロイセン議会は、19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、プロイセン王国およびプロイセン州に存在した議会です。その成立は1848年の欽定憲法に遡り、1850年の欽定憲法修正憲法によって制度が確立されました。当初は、25歳以上の男子国民を対象とした三級選挙権制度によって選出された議員から成る衆議院と、世襲議員や終身勅選議員から成る貴族院の二院制で構成されていました。

王国議会の成立と変容

1848年の革命（3月革命）のさなか、プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世は自由主義勢力との妥協を余儀なくされ、自由主義内閣を任命し、プロイセン国民議会を設置しました。しかし、革命の機運が衰退すると、保守派内閣が成立し、革命の弾圧が始まりました。1848年12月にはプロイセン国民議会は停会となり、同時に国王は自由主義的な条項を含む欽定憲法を制定しました。この憲法では、男子普通選挙によって選出される第二院と、高額納税者の互選によって選出される第一院から成る二院制議会が定められました。ただし、首相・官僚・軍隊の任免や統帥権は国王が掌握し、議会はそれに干渉できないとされました。

1849年5月には、第二院の選挙制度が普通選挙から納税額に基づく三段階の三級選挙権制度に変更されました。また、秘密選挙も廃止され、公開選挙となりました。第一院についても、1850年1月31日の欽定憲法修正憲法で変更が加えられ、世襲議員、勅任議員、選挙議員という三重構造になりました。1855年には、第一院は貴族院、第二院は衆議院に改名されました。

ドイツ統一とプロイセン議会

ビスマルクによるドイツ統一後も、プロイセン議会は存続しました。帝国議会は男子普通選挙制度を採用していましたが、プロイセン衆議院の三級選挙権制度は維持されました。プロイセン衆議院は、ドイツ統一戦争の成功後は保守派の支配下におかれ、ドイツ保守党、自由保守党、国民自由党といった親政府政党が過半数を占め続けました。

ヴァイマル共和政下のプロイセン州議会

第一次世界大戦後のドイツ革命により、プロイセンは共和政となりました。1918年11月14日には、プロイセン政府に社民党と独立社民党が参加する人民代表評議会が創設されました。プロイセン人民代表評議会は貴族院の廃止と衆議院の解散を宣言し、男子三級選挙制度を男女普通選挙に改正しました。1919年1月26日に行われた選挙の結果、社民党、中央党、民主党の「ヴァイマル連合」が多数を占め、1920年11月30日にはプロイセン憲法が制定されました。

プロイセン憲法により、プロイセン州議会が設置され、20歳以上の男女州民による普通選挙で選出される議員によって構成されることになりました。州議会は州首相を選出することになっており、ヴァイマル共和政期の大半は社民党のオットー・ブラウンが州首相を務めました。しかし、1932年4月の州議会選挙で国家社会主義ドイツ労働者党（ナチス）が第一党となり、ブラウン内閣は総辞職を余儀なくされました。その後、パーペン内閣によるクーデターを経て、1934年1月30日には「国家革新に関する法律」によりプロイセン議会を含む全ての邦議会が廃止され、プロイセン議会はその歴史に幕を閉じました。

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