自由保守党

自由保守党について

自由保守党（Freikonservative Partei、略称FKP）はかつてプロイセン及びドイツに存在した政党です。1866年に設立され、オットー・フォン・ビスマルクの支持派がプロイセン保守党から分離して結成されました。特に帝国議会では「ドイツ帝国党（Deutsche Reichspartei、略称DRP）」として活動しましたが、第一次世界大戦後にはドイツ保守党と合併し、ドイツ国家人民党へと改組されました。

党の成り立ち

自由保守党は、プロイセン保守党内でビスマルクの政策を支持する立場をとり、保守党の超保守主義に反対するエドゥアルト・フォン・ベトゥージ＝フク伯爵などの自由主義的保守派によって結成されました。彼らは当初、保守党の議員団の中に独自のグループを形成していましたが、その後、より確固たる保守政党として成長しました。自由保守党は、ドイツ進歩党から分派した国民自由党よりも広範囲にわたりビスマルクを支持し、彼に対して最も信頼を寄せられる政党となっていました。

党は社会主義や急進主義、反動に逆らい、穏健な立憲君主制を志向しています。保守党が主にプロテスタントの大地主や高官、軍関係者を支持層としたのに対し、自由保守党は知識人層からも支持を受けており、特に高級官僚や外交官が中心的な基盤を形成していました。両党は、基本的には同じ保守主義の流れに位置づけられます。

政治活動と合併

1876年以降、自由保守党は帝国議会で「ドイツ帝国党」という名称で活動を続けました。しかしプロイセン内ではその名前のまま活動することとなります。保守党がドイツ保守党に改組された後、これらの党はビスマルクの政策を支持し、一つの連携を持ち始めました。1887年には、保守党、帝国党、国民自由党との間で、選挙の候補を支援し合う協定が結ばれ、これにより彼らは「カルテル」と呼ばれるようになりました。

帝国党は議席数は多くはなかったものの、保守党と国民自由党の中間的な存在として重要な政治的地位を占めていました。農業者同盟が確固たる農業利益団体として成長する中で、帝国党は多様な名望家による保守政党としての地位を維持し、実際には保守党と根本的に異なる経路を辿ることとなります。

第一世界大戦後の状況

第一次世界大戦後の1918年、自由保守党は保守党や国民自由党右派と合流し、ドイツ国家人民党に再編成されました。しかし一部の党員は新たに形成されたドイツ人民党に移籍し、政治情勢は変化し続けました。特に、帝国党の議員で東アフリカ総督のエドゥアルト・フォン・リーベルトが1929年にナチスに参加するという動きも見られました。

党首と主な党員

自由保守党の党首としては、エドゥアルト・ゲオルク・フォン・ベトゥージ＝フク伯爵が初代（1867年 - 1880年）、その後ヴィルヘルム・フォン・カルドルフが1880年から1907年、オクタヴィオ・フォン・ザイドリッツ＝ノイキルヒ男爵が1907年から1918年まで党首を務めました。1918年にはゲオルク・シュルツが短期間の党首となりました。

また、党にはハインリヒ・フォン・アッヘンバッハやカール・フェルディナント・フォン・シュトゥンム＝ハルベルク男爵などの顕著な党員が存在し、彼らは政党内で重要な役割を果たしています。彼らは多様なバックグラウンドを持ち、党の活動を支える要素となりました。

自由保守党は、ビスマルク支持の保守的な立場からさまざまな政治的環境に適応しつづけることによって、ドイツの政治史に影響を与え続けました。

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