プログレスM-37

プログレスM-37号（ロシア語: Прогресс М-37）は、ロシア連邦が開発・運用した「プログレス」シリーズに属する無人宇宙補給船の一機です。この機体は、当時地球軌道上にあった宇宙ステーション「ミール」へ、必要な物資や燃料を定期的に届けるという重要な任務を担っていました。1997年のミッションに使用されたプログレスM-37号は、シリーズ全体で236番目に製造された機体にあたります。

この補給ミッションは、1997年12月20日に開始されました。プログレスM-37号は、ロシア連邦の広大な宇宙施設であるバイコヌール宇宙基地の1番発射台から、現地時間午前11時45分1秒（協定世界時8時45分2秒）に宇宙へ向けて打ち上げられました。ロケットによって正確に軌道に乗せられた後、プログレスM-37号は自力でミール宇宙ステーションへのランデブー（接近）を開始しました。

打ち上げから2日後の12月22日、プログレスM-37号はミール宇宙ステーションへのドッキングを試みました。この結合プロセスは、完全に自動システムによって行われました。機体はミールステーションのクバント1モジュールへと誘導され、現地時間午後1時22分13秒（協定世界時10時22分13秒）に無事結合を完了しました。これにより、ミール滞在クルーへの物資補給とステーション機能維持のための重要なライフラインが確保されました。

プログレスM-37号がミールへ輸送した貨物の総重量は2492キログラムに及びました。積荷の内容は、宇宙ステーションの軌道修正や姿勢制御に必要な燃料、クルーが呼吸するための酸素を含む空気混合物といった生命維持に不可欠なものから、宇宙飛行士が日々使用する個人用の物品、ミールステーション内部の故障した機器や旧式化した機材を交換するためのスペアパーツ、そして日用品に至るまで、多岐にわたるものが含まれていました。これらの物資は、長期にわたる宇宙滞在と科学実験を支える上で欠かせないものでした。

プログレスM-37号は、ミール宇宙ステーションに約3ヶ月間結合した状態を維持しました。その間、ステーションからの廃棄物などを搭載した上で、1998年3月16日、現地時間午後10時16分1秒（協定世界時19時16分1秒）にドッキングを解除し、ミールから離脱しました。しかし、その役割は補給任務だけで終わりませんでした。ステーションから安全な距離まで離れた後、プログレスM-37号は「«Релаксация»（リラクサツィヤ）」と呼ばれる特別な実験を実施しました。この実験の目的は、プログレス補給船から放出される排気成分や、ステーション内での燃焼活動によって発生する物質が、宇宙ステーション周辺の真空環境をどの程度汚染しているかを詳細に調査することでした。この貴重なデータは、将来の宇宙ステーション設計や運用において、よりクリーンな環境を維持するための知見を提供するために役立てられました。

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